Webの性能管理分野に進出するチボリ

2001/11/1

 日本チボリシステムズは10月31日、Webシステムの管理機能「Tivoli Web Component Manager(TWCM)」を発表した。新製品は昨年発表した「Tivoli Web Services Manager」とともに同社のWeb管理ソリューションを構成する製品となり、この分野の製品がそろったことになる。

 新製品は、サーバOS、Webサーバ、アプリケーション・サーバなどの、ファイアウォール内のWebコンポーネントの可用性や性能を監視する製品。eビジネスのインフラが点在するうえに、“8秒ルール”に代表されるように、性能に対するユーザーからの要求は厳しくなる一方だ。また、Webはトラフィックの事前予測が困難という特徴もあり、企業にとってWebの包括的な管理は課題の1つだ。

 機能としては、コンポーネント・レベルでの可用性と性能のリアルタイム監視、しきい値設定による能動的な管理、ブラウザ・ベースでの管理、レポーティング(リアルタイム/ヒストリカル)などがある。SOAP、HTTP、HTTPS、XMLなど各種標準に準拠し、新しく策定されたJavaアプリケーション管理の標準JMX(Java Management Extensions)にもいち早く対応している。これにより、JMX対応の他ベンダ製品でも管理可能となる。

 同社 システムズ・エンジニアリング本部 東日本SE部 課長 天野史章氏は、「SLAは、99.999%というサーバの稼働率よりも、エンドユーザーの視点で提供されるべき」という。そのためには「個々のコンポーネントの稼働状態を把握することが必要」と、問題個所の素早い発見の重要性を述べた。

 チボリはすでに、ストレージ管理の「Storage Manager」をはじめ、セキュリティ、リソース監視などの企業システムでは管理製品を持っているが、Web管理分野は新規。すでに製品を提供しているマーキュリー・インタラクティブ・ジャパンなどと競合することになる。「IBMのソフトウェア事業部の傘下というポジションと独立性を生かして事業展開を図る」(同社 マーケティング本部 製品企画部 主任 小板橋綾氏)という(チボリは1996年、IBMに買収された)。

 米本社は経営陣を入れ替えるなど再編成中で、DB2、WebSphere、ロータスと合わせソフトウェア事業部としてブランド戦略を展開するIBMが、同社をどう強化していくのかが注目されている。

(編集局 末岡洋子)

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日本チボリシステムズの発表資料

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