フレームワークで開発を効率化するWebLogic Portal

2002/2/1

 日本BEAシステムズは1月31日、ポータルフレームワークの新製品「BEA WebLogic Portal 4.0J」の販売を開始した。

 J2EE準拠のアプリケーション・サーバが普及しつつある中、各ベンダはそれを土台とした機能を提供して囲い込みを図ろうとしている。アプリケーション・サーバを主力製品とするBEAでも、アプリケーションの統合や管理といった分野に積極的に進出し、次の時代に備えようという戦略だ。その実現のため、同社は製品体系を変更し、Campaign Manager for WebLogic、WebLogic Commerce Server、同Personalization Serverの3製品を、WebLogic Portalと同Personalization Serverの2製品に統合した。また、ビジネスプロセス管理ではWebLogic Integrationを今月リリースしている。

 BEA WebLogic Portal 4.0Jは、「ポートレット」と呼ばれる“情報の窓”で構成されるポータルページを作成できる製品。アプリケーション・サーバのWebLogicをベースとし、ポータルの開発や管理、カスタマイズを実現し、パーソナライゼーション機能、コマース機能などを持つ。特徴として、スキン機能、高度なレイアウト自由度、2種類のポートレット表示(目に見える“visible”と利用可能だが目に見えない“available”)が可能といったフロントにかかわるもののほか、管理分野でも、ユーザーのプロファイル情報との連携、動的なパーソナライゼーションなどがある。

 中でも、同社が「他社にはない機能」と強調するのが、ユーザープロファイル情報とアクセス制御の連携。ルールエンジンにより、ユーザーに応じて、タブを出す/出さないといった細かな設定が可能となる。時間、httpリクエスト・パラメータなども使用できる。これを利用すれば、経営にかかわる機密情報を経営陣しか閲覧できないようにする、といったことが簡単に実現する。

 パーソナライゼーションに関しては、APIにJSP拡張タグライブラリを利用し、コンテンツデータベースからデータの取得が可能となった。それによって動的なデータの管理とパーソナライゼーションが実現する。これを応用して、行動追跡や個別のキャンペーン活動なども行えるという。

 同製品は、Webサービスにも対応した。オプション機能「WebService Portlet Wizard」を提供しており(米BEAのサイトにてダウンロードが可能)、Webサービスに対するポートレットを生成することができる。

 開発者のメリットとして、同社 システム技術部 シニア システムズ・エンジニア 岡下浩明氏は、J2EEアプリケーション・サーバをベースとしたフレームワークを提供する点を強調する。ポートレット間のやり取りをビジュアル化・簡素化するWebフロー機能、Javaプログラムを“pipeline”という集合単位にすることでプロセス統合を効率良く行える機能などにより、効率的な開発作業が実現するという。

 同製品の価格は1CPUあたり885万円で、製品にはWebLogic Server 6.1Jをはじめ、同Commerce Server、同Personalization、Campaign Manager for WebLogicが含まれる。

(編集局 末岡洋子)

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日本BEAシステムズ

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