ATMとIP、2機能を1台にしたエッジ・ルータ

2002/3/16

「MRX 16160」
 ユニスフィア・ネットワークスは3月15日、エッジルータ製品群「MRX」を発表、出荷を開始した。同製品は、主にブロードバンドサービスを提供する通信事業者をターゲットとしており、IPルーティング、ATMスイッチングの2つの機能を1台で実現した。また、今後、“すべてがIPに移行する”という構想のもと、VoIPやMPLS(MultiProtocol Label Switching)の促進や付加価値サービスの提供などに注力していくとの戦略も明らかにした。

 IPベースのネットワークへの移行は必至といわれているが、依然としてATMに対する根強い需要もある。この過渡期において、通信事業者は同製品を利用することにより、効率のよいネットワーク構築を行えるという。

 ネットワーク形態の他の課題として、同社は付加価値のあるブロードバンド回線サービス提供の必要性を挙げた。加入者増加の一途をたどっているブロードバンドサービスだが、低価格化が同時進行しており、通信キャリアはどこで収益を得るか、つまり付加価値をつけることが重要という。同製品では将来を見越し、単なるアクセスの提供だけではなく、トラフィックの分離や優先順位付けといった付加価値を付けることを想定した製品アーキテクチャを持つという。

 MRXの特徴は、柔軟性、高性能、拡張性の3点。柔軟性に関しては、IPルーティング、ATMスイッチング、MPLS、IP VPNなどのIPサービスの4機能を統合したほか、「UNIエッジ・サービス・ソフトウェア(ESS)」により設定が可能。また、「バーチャル・ルータ機能」により、MPLSやATMスイッチを利用せずにネットワーク内にIPネットワークを構築することも可能という。

 性能に関しては、カスタムASICを採用したことでワイヤスピードでのフィルタリング、識別などが可能になった。拡張性に関しては、サポート回線容量は40〜320Gbps、光ファイバ、ギガビット・イーサネットなどのインターフェイスを持つ。

 同社は通信事業者を中心に世界に125社以上の顧客を抱える。2001年度の売上高は1億8540万ドルで、前年度比174%増という高い成長を遂げた。ギガビットクラスのルータ市場では約10%、エッジ・ルータ市場でも10%と、シスコシステムズに次ぎ第2位につけているという。同社 代表取締役 大須賀雅憲氏によると、2000年末に出荷を開始したエッジルータ「ERX」製品群の日本での販売実績は、通信事業者10社以上、350台以上という。

[関連リンク]
ユニスフィア・ネットワークス

[関連記事]
バックボーン構築の経験とMPLSがポイントとシスコ (@ITNews)
第2世代の光イーサネットは従来型MANの弱点を克服する(@ITNews)
ジュニパーネットワークス最大の強みは「Service Velocity」 (@ITNews)
ITの軸になるのはIPネットワーク (@ITNews)
10GbEを推進するシスコ、エクストリーム、SOAPによるPKI (@ITNews)
ネットワーク機器市場、2005年には76%増の6000億円規模に (@ITNews)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)