eラーニングのメリットがデメリットに、ガートナーの調査から
2002/3/20
ガートナージャパンが発表したeラーニングに関する利用者(企業内個人)の意識調査からわかることは、eラーニングのメリットとデメリットの間で揺れ動いている実際の利用者像だ。
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ガートナー ジャパンの調査によるeラーニングについて評価する点のトップ5(複数回答) |
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ガートナー ジャパンの調査によるeラーニングについて不満な点トップ5(複数回答) |
この調査は、eラーニングについて評価する点と不満な点を複数挙げてもらい、それをまとめたもの。同調査で利用者がeラーニングを評価する点として挙げるのは、「時間・場所の制約がない」という点だ。これは、まさにeラーニングの特徴である「いつでも、どこでも、だれでも(Anytime、Anywhere、Anyone)」であり、利用者はこの点を大いに評価していることがわかる。それ以外にも、「自分のペースで学習できる」「インタラクティブ性」それに「コストが安い」など、一般にeラーニングの特徴として挙げられるもの。
その一方で注目したいのは、こうしたeラーニングのメリットを、「強制力の欠如」として、不満な点として利用者が挙げている点だ。eラーニングのメリットが、そのまま利用者にデメリットとして認識されていることがわかる。
ガートナー ジャパンによれば、さらに不満な点の「コンテンツに対する不満」と「臨場感がない」という点を、間接的にモチベーションを保てない要因として挙げる。そのうえで、遠隔かつ個人で学習を行うeラーニングは、利用者には拘束力が弱く、学習環境に対する不満は、学習意欲を阻む原因となっていると指摘する。
ガートナー ジャパン ITデマンド調査室アナリスト 中田真由美氏は、コンテンツについて「魅力あるコンテンツをそろえることはもちろん、eラーニングならではのインタラクティブ効果を利用した学習サポート体制の充実が非常に重要になってくる」と、コンテンツを巡る課題を挙げる。
実際、企業向けのeラーニングでは、学習進度などの進捗管理や学習のアドバイスを行うメンタリング、集合型研修とeラーニングを組み合わせたブレンディングなど、受講率を高め、モチベーションを維持させるため、さまざまなソリューションが企業に提案され、提供されている。中田氏が挙げた「学習サポート体制の充実」とは、まさにこうした工夫が、個人向けにも必要とされつつあるのかもしれない。
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