「22年の経験を生かす」とWebサービスへコミットするノベル

2002/3/20

 米ノベルは米国で年次のイベント「BrainShare 2002」を開催中だ。3月18日に行われた基調講演では、同社 会長兼CEO ジャック・メスマン(Jack Messman)氏がグループウェア新製品「ZENworks Synergy」「Novell Workspace」を発表したほか、引き続きネットワークをコアとした「one Net」ビジョンに注力していく姿勢を示した。

 ノベルは先日発表した2002年度第1四半期の決算で、売上高2億7100万ドルを計上、アナリストの予想を上回る好結果となった。その主な要因はリストラやコスト削減の結果といわれてはいるものの、同社にとっては追い風となるものだ。

 基調講演の席で、昨年11月にエリック・シュミット(Eric Shumidt)氏(Googleの現CEO)の後継として会長に就任した同社 会長兼CEO メスマン氏がCEOとして初登壇したほか、2月末に副会長として返り咲いた副会長(CEOオフィス付副会長) クリストファー・ストーン(Chris Stone)氏も舞台に立った。ストーン氏はOMGの創設者でもあり、1997年から2年間、同社に在籍して戦略や開発に携わった人物。

 メスマン氏は「Webベースのアクセスが可能となる世界を実現するのがone Net」とし、ネットワークのインフラとなるソフトウェアを提供していくと述べている。また、Webサービスについては、「ノベルは22年間、ネットワークにこだわりつづけてきた。これはどの企業よりも長いものだ」と優位性を強調し、サン・マイクロシステムズの「Sun ONE」や.NETなどのプラットフォームに縛られないWebサービスを提供するとした。また、かつての敵・マイクロソフトについて「.NETはベーシックなWebサービスしか実現しない。(マイクロソフトは)エンタープライズでは決してメジャーではなかったため、セキュリティや拡張性といった重要なスキルを持っていない」と攻撃する一面もあった。

 この日発表したスイート製品のZENworks Synergyは、ユーザーが単一のアクセスポイントから場所や時間を問わずに自分の環境にアクセスできるもので、アプリケーションやデータ、ツールなどに加え、動的なコンテンツ配信機能も持つ。クライアント/サーバ、ターミナルサーバ、Webの3種類のシステムアーキテクチャをサポート、管理の複雑性も排除したという。また、「eDirectory 8.7」のベータ版も発表、UDDIのサポートなどWebサービス対応を強化したものとなっている。

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米ノベルの発表資料

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