インテルCIOが語る、今後のIT投資戦略
2002/5/24
米インテルのCIO兼副社長であるダグラス・F・ブッシュ氏(Douglas F.Busch)は5月23日、都内で会見し、インテル自身のIT投資戦略を語った。ブッシュ氏は「市場競争のスピードはITを制したビジネス改革者によって決定され、遅れた者(企業)は必ず(市場で)敗れ去る」と、IT投資の重要性を強調した。
インテルのCIO兼副社長 ダグラス F.ブッシ ュ氏 「ITを制す企業が市場を制す」と語った |
インテル社内のIT投資戦略を実行するIT部門が設置されたのは1993年のことである。当時は、社内の部門間で分散するシステムを管理・運営するのが主な業務であったという。その後、1995年にSAP
R/3を導入して基幹業務システムを統合、1997年に社内OSを統合した。2000年にはe-ビジネス事業本部を開設してビジネスの主軸をインターネットに移行し始め、1カ月に20億ドルのオンライン取引額を達成した。
ブッシュ氏は「ITの導入による生産性の向上は企業の競争力確保には必要不可欠である」と断言する。実際、同社の製造面での生産性は、装置搬入に要する時間でみると2000〜2002年までの2年間で33%短縮され、平均修復時間は25%短縮された。また、サプライヤとのやりとりを電子データ化することで、商品管理担当者の生産性が15%向上、サイクル・タイムにして75%短縮されている。
最も新しい取り組みでは、RosettaNet(ロゼッタネット)によるXMLを用いたWeb取引を開始したことが挙げられる。この結果、サプライヤとの業務処理の70%、またインテルにおける間接材のサプライヤとの取引分2500万ドルをオンライン化した。
2002年から開始するIT投資計画では、無線LANの導入による社員の生産性向上や、ネットワークの帯域幅を拡大し、ストリームメディアのやりとりを可能にすることで主に開発チーム同士のコラボレーション向上を図ることに主眼を置く。
2001年度の同社のIT投資額は約10億ドルだった。同社では2002年以降も「着実な増加を見込んでいる」(ブッシュ氏)という。
(編集局 谷古宇浩司)
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