産学協同の次世代ブロードバンド基盤、SOBAプロジェクト

2002/5/25

 ブロードバンド向けコミュニケーションツールの開発を目指す産学協同のSOBA(ソーバ:Session Oriented Broadband Applications)プロジェクトは、「SOBAフレームワークα版」(評価用)を7月9日にリリースすると発表した。

 「SOBAフレームワーク」上で作成されるアプリケーションは、PtoPを基本とし、ネットワーク上の共有空間を状況に応じて生成、統合、分割、継承、消滅させるダイナミック・マルチセッションを中核にしたコミュニケーション型が中心になるという。例えば、遠隔授業や遠隔診断、調達、オークション、ビデオ配信、対面販売などのシーンで活用されるアプリケーションが想定されている。

SOBAフレームワークがもたらす、共有空間によるコミュニケ ーションのイメージ

 フレームワーク自体のプラットフォームは、JavaとC++で構築されている。ネットワーク共有機構を抽象化したフレームワークAPIがあらかじめ含まれており、実装が容易であるほか、ソフトウェアの部品化が容易なアーキテクチャを採用することで、既存アプリケーションの部品利用が行えるなど、アプリケーション開発者にとって開発が容易な環境であるといえる。

 αバージョンのリリース後、SOBAプロジェクトではアプリケーション開発に参加する企業の募集を開始する予定。2003年にはβ版をリリースする。α版はWindows環境のみの対応だが、β版ではUNIX、Linuxなどに対応したマルチプラットフォーム化を実現する予定だ。

 将来的なSOBAプロジェクトの組織構想について、同プロジェクトのプロジェクト・リーダーである京都大学数理解析研究所の中島玲二教授は、「基本はオープンソースだが、アプリケーションを開発する企業が増大した場合に備え、ライセンス供与やフレームワークの公式版を定期的に提供する営利法人が必要になるだろう」と話す。具体的には、フレームワークの仕様策定やフレームワークの無償配布などの作業は、非営利法人SOBAオープンソースコミュニティ(仮称)を設立して対処し、平行してアプリケーション開発企業に対するサポートやライセンスを行うSOBA Inc.を設立する青写真があるという。

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SOBAプロジェクト

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