電子メールではなく、同期型コミュニケーションがビジネスを変える
2002/6/22
アクセンチュアとインターワイズは6月20日、eラーニング、eコミュニケーション市場の分野で提携したと発表した。
インターワイズは、双方向同期型ライブによるeラーニングを中心としたeコミュニケーション・ソリューションのベンダで、日本法人は昨年(2001年)5月に設立された。同社の主力製品は、コミュニケーション・コラボレーションの統合プラットフォームソフトウェア「Interwise ECP」。同製品を利用することで、インターネット上で1対1のメンタリングやカウンセリングから、グループミーティング、集合研修、ライブイベントまでを実現できる。
左からインターワイズ日本法人 代表取締役堀内匡氏、インターワイズ副会長兼最高業務責任者ヒレル・コブリンスキー(Hillel Kobrinsky)氏。アクセンチュア ヒューマン・パフォーマンス・グループ パートナーの池上孝一氏、アクセンチュア ヒューマン・パフォーマンス・グループ マネジャー和田充正氏 |
今回の提携の目的についてアクセンチュア ヒューマン・パフォーマンス・グループ パートナーの池上孝一氏は、「グローバルレベルですでに両社は提携しており、今回の提携もその一環。また、eラーニング、eコミュニケーション市場の活性化を両社で行うこと、そしてそのために両社でセミナーや販売、マーケティングを共同で行うこと」と述べた。
インターワイズ日本法人 代表取締役堀内匡氏は、現在のeラーニングを管理系で学習管理システム(LMS)を扱う企業、学習系を扱う企業、そしてそれらを合わせたブレンデッド・eラーニングを扱う企業の3つに分類した。そのうえで、「学習系は、教室型、非同期型、同期型があり、当社は設立以来ずっと同期型にフォーカスしてきた」と強調する。そして非同期型が中心のeラーニングに対して、「非同期型eラーニングのセールストークは、“いつでもできる、どこでもできる、1人でもできる”であったが、現実は“いつでもやらない、どこでもやらない、1人だとすぐ挫折する”ということが、人事部や研修を担当部門で分かってきた。学習者の意欲のみに頼る方法ではeラーニングはなかなか普及しない」と述べた。
それでは、同期型のメリットや優位点は何か? 堀内氏は、「これまでコミュニケーションは、電報やテレックスなどの片方向非同期型から、電話などのような双方向同期型へと移行してきた。確かに電子メールは便利だ。しかし、双方向同期型のコミュニケーションであれば、ビジネスプラクティスが変わり、意思決定スピードが速くなり、企業戦略も変わる」と強調する。
例えば、双方向同期型のコミュニケーションツールを企業で利用するようになれば、経営者トップのビジョンを従業員全員に浸透させることができようになる、ミーティングや面談が遠隔地同士でも気にせずに実施できるなど、経営のスピードアップに寄与できるという。
しかし、企業戦略や企業の意思決定を左右するような投資は、企業経営者に直接アプローチする必要がある。インターワイズがアクセンチュアに期待する最大のポイントもそこにある。インターワイズの販路では人事や研修部門となり、人事研修などの案件に限られてしまう。そこで、経営陣に直接コンサルテーションなどを行うアクセンチュアと組むことで、企業の人事システムや人事風土全体を見直し、その中でInterwise ECPを利用してもらうことが可能となる。
一方のアクセンチュアだが、eラーニングの分野ではすでに学習管理システムと非同期方学習システムを得意とするドーセントと提携するなど、eラーニングに力を入れている。今回の提携によって、eラーニングの管理システムから学習システムまでをすべてそろえることができ、人材育成コンサルタンティングのメニューを強化できるようになる。
現在、多くの企業は従業員数を減らして組織をスリム化しながら従業員の質を高めようとしているが、その実現に必要なのが柔軟かつ短期間で可能な人材育成の仕組みである。さらに、企業がさまざまなアプリケーションを導入する場合、訓練や学習が必要となる。こうした企業に対してアクセンチュアは積極的にコンサルティングしていくという。
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アクセンチュアの発表資料
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