[Sybase TechWave 2002開催]
攻勢をかけるサイベース、「勢いは我々にある」
2002/8/8
データベースベンダから、eビジネスプラットフォームのプロバイダへ転身をはかるサイベースの開発者向けカンファレンス「TechWave 2002」が、米国カリフォルニア州サンディエゴで8月7日に開幕した。
米サイベース チェアマン・CEO兼社長のジョン・チェン氏 |
基調講演で登場した同社チェアマン・CEO兼社長のジョン・チェン(John S. Chen)氏は冒頭、冗談交じりに「いつも(オラクルの)ラリー・エリソンはサイベースを引き合いに出すようだ。ラリーは以前、『インフォミクスもサイベースも死んだ』といったようだが、サイベースはこのとおり生きてるよ」と、余裕の発言で聴衆の拍手を浴びた。
チェン氏は、過去1年間で「テクノロジ」「ソリューション」「パートナーの拡大」の3つの分野についてサイベースが注力してきたと発言。テクノロジの分野では、同社の製品がカバーするBI(ビジネスインテリジェンス)、ポータル、データベース、モバイルについて優位性を保っており、例えばアプリケーションサーバではベンチマークでBEAシステムズのWebLogicを上回り、BIではSybaseIQで世界最大のデータウェアハウスを構築、モバイルではiAnywhereが引き続き高く評価されるなど、業界でのテクノロジのリーダーシップをサイベースが握っているとした。「勢いは我々にある」(チェン氏)
また、サイベースは金融業界に強いベンダだが、この経験を生かして政府やテレコム、ヘルスケアなど業界別のソリューションを提供することで、強い分野を拡大することを狙っている。
米ピープルソフト 会長兼CEOのクレイグ・コンウェイ氏 |
一方で弱点もある。「サイベースのデータベースは、アプリケーションのサポートが少ないことも認識している。これには長期的なパートナー戦略として取り組んでいる」(ジョン・チェン氏)。そしてそれに対応する形で発表されたのが、ピープルソフトとの提携である。ピープルソフトは今後、サイベースをバックエンドデータベースとしてトッププライオリティに位置付ける。
米ピープルソフト 会長兼CEOのクレイグ・コンウェイ(Craig Conway)氏は、「サイベースとピープルソフトの組み合わせで、迅速に企業内の情報を処理するリアルタイム・エンタープライズが実現できる」と、この提携の意義を強調。しかしサイベース アジアパシフィックの副社長兼ゼネラルマネージャのマーク・ワン(Mark Y. Wang)氏は、「ピープルソフトは、SAPや(ERPベンダとしての)オラクルに後れを取っている。そして、SAPもオラクルもデータベースにはOracleを使っており、彼らと対抗するにはサイベースと組むしか選択肢はなかった」と、提携の舞台裏を分析する。
いずれにせよ、eビジネスの基盤となる製品を提供するサイベースにとって、アプリケーションベンダとの提携は飛躍のためのカギだ。同社はさらにドキュメンタムやインターウォーブン、ブリオ、インフォマティカなどとのパートナーシップを強化し、またGIS関係のベンダとの提携の発表も用意されているという。
本日のサイベースの主な発表は下記のとおり。
(編集局 新野淳一)
[関連リンク]
米サイベース
サイベースとピープルソフトの戦略的な提携の発表資料
ボーランド
JBuilder7 Enterprise Sybase Editionの発表資料
PowerBuilder
9.0ベータ版に関するの発表資料
EAServer
4.1の発表資料
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