Jiniに勝利したUPnPの次の一手は
2002/11/12
Windowsのプラグ&プレイをネットワーク機器や家電に拡張したUPnP(Universal Plug and Play)についてのデベロッパ向けイベント「Universal Plug and Play Forum Asia Summit in Tokyo」が始まった。UPnPの標準化団体「UPnPフォーラム」には、ハードベンダを中心に現在、524団体が参加しているが、UPnPはもともとマイクロソフトが提案した規格だけに、Windows関連の話題が多かった。
マイクロソフトのConnected Home Technical Evangelist スコット・マンチェスター氏。UPnPをサポートするルータを掲げて対応デバイスの多さをアピール |
11月11日に講演した米マイクロソフトのConnected Home Technical Evangelist スコット・マンチェスター(Scot Manchester)氏は、UPnPについてのこれまでのフォーラムの取り組みを振り返り、「仕様は充実し、認証済みデバイスの配備も開始された」と評価。「Windows Me、XP、CE.NETでサポートされているが、次のWindowsでもサポートする」と明らかにした。
現在UPnPフォーラムが標準化に力を入れているのが、UPnPのバージョン2。バージョン2ではWebサービスとの連携を強化させる。スコット氏によると、フォーラムはバージョン2にWebサービスの記述言語であるWSDL(Web Services Description Language)を採用。現在、バージョン2のアーキテクチャ定義のための委員会を設置して討議を続けているという。UPnPデバイスとWebサービスが交信できるようプロトコルや開発ツールの統一を図る。
マイクロソフトが主に主導するUPnPに対して、サン・マイクロシステムズは同様のコンセプトの技術「Jini」を推し進めていた。しかし、最近ではJiniの話題を聞くことも少なくなってしまい、普及も進んでいない。JiniはJavaを基に開発され、プラットフォームを問わずに広く稼働することが特徴だったが、利用できるデバイスの数などから言えば、マイクロソフトがサンとの規格争いに勝利したといえるだろう。
マイクロソフトはフォーラムを組織して、自社のWindows OSにUPnPをサポートさせることでベンダをつかむことに成功。UPnPに対応するソフトやデバイスが次々に登場し、業界標準を獲得した。ユーザーに対してどの規格が最適だったかは別にして、マイクロソフトの適度な囲い込みが勝利を呼び込んだといえるだろう。
(垣内郁栄)
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UPnPフォーラム
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