自らを再構築したノベル。新戦略のカギはWebサービス
2002/10/23
「ビジネスアプリケーションでは、米国に比べ未成熟の日本市場の成長に期待できる」という米ノベルのジャック・メスマンCEO(右)とノベル日本法人の吉田仁志代表取締役社長(左) |
ノベルは、Webサービスとセキュリティを軸にしたソリューションプロバイダとなる。10月22日、来日した米国ノベルのジャック・メスマン(Jack Messman)CEOが、グローバル新戦略を発表した。同社の伝統的な強みであるディレクトリサービスによるセキュリティ技術と、昨年買収したケンブリッジテクノロジー・パートナーズのコンサルティング力、そして6月に買収したシルバーストリームのWebサービス製品群が同社の新しい基盤となる。
メスマン氏はノベルが以前から唱えてきた「one Net」ビジョン、あらゆるネットワークをシームレスでセキュアに結びつけることを、さらに推し進めることを約束した。そのために、同社が提供するトータルソリューションを4つのブランドに再編する。
- Webアプリケーションの開発/Webサービス「Novell exteNd」
- アイデンティティに基づくセキュリティ管理「Novell Nsure」
- ネットワークサービス「Novell Nterprise」
- コンサルティングサービス「Novel Ngage」
多くの企業と同様に、ノベルにとってもこの資源の集中と再分類は、一切の無駄を排除しながら、同社が持つリソースのすべてを生かす改革だ。「ノベルが再出発するにあたり、この4つの分野に注力する」(メスマン氏)。特にWebサービスへの注力は、同社にとって新しいチャレンジとなる。メスマン氏は「これからのIT業界で当面成長していくのは、Webサービス分野とセキュリティ分野の2つ。特にWebサービスはエンタープライズにとって重要な技術になる」とした。
メスマン氏のWebサービスへの自信は、同社のディレクトリサービス(eDirectory)にシルバーストリームのツールセットを統合した、Webアプリケーションとしての強力なビジネスツール技術にあるという。また、「プラットフォームはJ2EEに対応し、BEAシステムズのWebLogicやIBMのWebSphereのような既存のJavaアプリケーションサーバに幅広く適用するので、ネットワークサービスのプラットフォームであるNetWareの寿命も延びる」と付け加えた。一方、国内でのシルバーストリームの新バージョンについては、ノベル日本法人の吉田仁志代表取締役社長によると、日本語化を進めており、数カ月後にノベルブランドで開始されるという。
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