ノベルが復活ののろし、キーワードは「プロビジョニング」
2002/5/14
米国で昨年、ITコンサルティング企業のケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズを買収、子会社化し、同時に経営陣を大きく入れ替えたノベルは、日本でも体制を一新。「The New Novell」として新戦略を発表した。プロビジョニング市場にフォーカスし、おもに大規模システムを視野に入れたサービスとコンサルティングへ注力していく。
新社長に就任した吉田仁志氏 |
新しいノベルがターゲットとするのは、プロビジョニング市場。あらゆる企業がネットをビジネスに活用するにあたり、その機能は「セキュリティ」「アプリケーション統合」「顧客に応じたパーソナライズ」の3つが軸となる。こうした機能を実現するのがプロジョニングだ。ノベルはプロビジョニングを実現するためのコンサルティングや製品を提供するリーディングーカンパニーを目指す。
日本での組織体制としてノベルとケンブリッジはそれぞれ独立した法人として存在し続けるが、ケンブリッジの代表取締役社長の吉田仁志氏が、ノベルの代表取締役社長を兼務する形になる。また、オフィスも移転し、ケンブリッジと同じビルに入居した。
吉田社長は、「ケンブリッジはベンダに対して中立のポジションを維持する。もちろんノベルもパートナーに対して中立の立場を維持し、ケンブリッジとだけビジネスするようにはならない」と説明したうえで、「ケンブリッジはCRM、ERPといったプロビジョニング関連の分野に強い。この分野で最適な製品を検討した結果、ノベルが選ばれる、ということにならないといけない」と、それぞれの会社がプロビジョニング市場を目指す強力なパートナーとなることでシナジーを発揮するとした。
ノベルのeDirectoryやシングル・サインオンなどの製品が強みを発揮するのは、主に大量のサーバやユーザーを抱えた大企業だ。これは、プロビジョニングで実現されるアプリケーション統合、パーソナライズなどの機能を要求する層とも一致する。まずはこうした大きな組織での成功事例を積み上げていくのが同社の目標となる。
ノベルは引き続きeDirectoryなどのパッケージ製品も提供していく。こちらのロードマップはまだ明らかになっていないが、ディレクトリサービスやシングル・サインオンなど、ソリューション指向の高度な機能を実現するラインと、プロキシやファイルサーバなどの、分かりやすく使いやすいアプライアンス的な機能を実現するラインとに分かれていく見通しのようだ。
(編集局 新野淳一)
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