UnitedLinuxジェネラル・マネジャーが語るそのメリット

2002/12/11

 米SCO、ブラジルのコネクティバ、独スーゼ Linux、ターボリナックスの4社が組織したエンタープライズ向けLinuxの開発プロジェクト、「UnitedLinux」のジェネラル・マネージャ ポーラ・ハンター(Paula Hunter)氏が初めて来日した。ハンター氏はターボリナックスが開いたセミナーで講演し、「IT業界のパートナー企業と“テクニカルアドバイザリーボード”を2003年初めにも組織して、UnitedLinux V.1.0の技術の方向性を決める」と述べた。主要ベンダとのパートナー戦略を強化してUnitedLinux V.1.0の普及を図る考えだ。

UnitedLinuxプロジェクトのジェネラル・マネジャー ポーラ・ハンター氏

 テクニカルアドバイザリーボードは、UnitedLinuxプロジェクト内で4社のスタッフが組織している“テクニカルステアリングコミッティ”と共同し、技術的な方向性を決定する。ハンター氏は、「UnitedLinuxの技術者向け認証プログラムも2003年早々に発表できる」と述べて、技術者育成にも力を入れる姿勢を強調した。

 またハンター氏は「開発者向けのプログラミングツールを2003年初めに無償公開する」と述べて、業界や技術者育成、開発ツールなどUnitedLinuxを取り巻く環境が整ってきたことを印象づけた。ハンター氏によると、プロジェクトはすでにUnited Linux V.1.0の「メンテナンスリリース」を準備しているという。次期バージョンのV.2.0は2003年末のリリース予定だ。

 ハンター氏はUnitedLinux V.1.0のメリットとして、エンドユーザーに対しては「エンタープライズ向けの高品質のOSが、定期的なメンテナンスとともに利用できる」と説明。パートナー企業にとっては「製品の対応をUnitedLinux V.1.0に絞ることで、開発の時間とコストを低減できる」と述べた。UnitedLinuxプロジェクトを組織するターボリナックスなど4社にとっても「開発コストを抑えて、多くの機能が取り込める」とメリットを強調した。

 ターボリナックスの代表取締役会長 渡邊肇氏はセミナーの冒頭で「Turbolinuxは日の丸OSを代表する」とあいさつ。政府が電子政府のネットワークシステムなどでオープンソースソフトウェアを検討していることを挙げて、“日の丸OS”が注目されている点を強調した。

 渡邊氏は、「日本でもTurbolinux Enterprise Server 8 powered by UnitedLinuxを12月20日に発売できることになり、ウキウキ、ドキドキ、ワクワクしている」とコメント。「日本とアジアを手始めに、グローバルに展開していきたい」と抱負を述べた。

(垣内郁栄)

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