2002年に最も売れた製品は? BCN AWARD発表

2003/1/18

 コンピュータ・ニュース社は全国のPCショップのPOSデータを集計し、2002年通期で実売数が最も多かったIT関連製品を選ぶ「BCN AWARD 2003」を発表した。OSなど定番商品が堅調に売れた一方で、ブロードバンド対応機器で新しい動きも見えた。

 BCN AWARDは今回で4回目。2002年1月から12月まで、全国16社、733店舗のPCショップのPOSデータを集計した。IT関連製品をハードウェア、ソフトウェア別に70部門に分けて、ランキングを出した。

 ソフトウェアでは定番商品が順調に売れ続けた。OS部門はマイクロソフト、統合ソフトもマイクロソフトが4年連続の受賞。トップが入れ替わったのはユーティリティソフト部門やマルチメディアソフト部門など少数だった。

 ハードウェアでは、デスクトップPC部門でソニーが初めてトップになった。ソニーはノートPC部門でも2年連続のトップ。携帯情報端末部門もソニーがトップになり、コンシューマ市場での強さを見せつけた。

 2001年と比較して2002年に急成長した製品は、ハードウェアでは記録型DVDドライブ。台数ベースで前年に比べて224%増加した。フォーマットの標準化がそれほど進まない中でも、動画などを保存する用途で大容量の記録メディアがユーザーに広く支持されていることが分かる。プリンタやスキャナ、ファクスなど複数の機能を搭載した複合プリンタも121%と2倍以上の出荷になった。省スペースや低価格傾向が人気になったようだ。無線LAN機器も37%増になった。ADSL回線の普及で、オフィスや家庭でLANを構築するユーザーが増えたことが要因。ブロードバンドを利用するユーザーは増え続けていて、2003年もネットワーク関連機器市場の成長が予想される。

 ソフトウェアでは2001年に続いてセキュリティソフトの伸びが目立った。2002年は、2001年のCode RedやNimdaのような大きなコンピュータ・ウイルスの流行はなかったが、ユーザーの間でセキュリティソフトのインストールが常識となったことなどから36%の伸びになった。

コンピュータ・ニュース社の代表取締役社長 奥田喜久男氏。「BCN AWARDを箱根駅伝になぞらえると、製品はランナー」などと説明した。

 一方で、ISDN回線とPCを接続する際に利用するターミナルアダプタ(TA)は前年比で70%以上の減少。新たにISDNを利用しようとするユーザーが減少し、ADSLへの置き換えが進んでいることが分かる。CRTディスプレィや、通信ソフト、タイピングゲームなどのトレーニングソフトも前年割れした。

 PCショップなどコンシューマ中心の市場でもIT投資の抑制は目立ち、デスクトップPCは前年比で28%、ノートPCは15%の減少になった。コンピュータ・ニュース社の代表取締役社長 奥田喜久男氏は「ベンダ、PCショップともに厳しい環境が続く」と指摘。ランキングを発表することで「ベンダの製品開発者にスポットライトを当てたい」と述べ、IT業界にエールを送った。

(垣内郁栄)

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コンピュータ・ニュース社の発表資料

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