“3%のネットワーク障害”に対応、AT&Tが管理施設
2003/5/8
ネットワーク障害時にエキスパートが集結するAT&Tグローバル・サービスの「iGEMSコントロール・センター」 |
AT&Tグローバル・サービスは運用監視しているネットワークに重大な障害が発生した際に、ネットワークやセキュリティの専門技術者が集結して対策にあたる「iGEMSコントロール・センター」を東京・虎ノ門に開設したと発表した。ビデオ会議のシステムなどを利用して、AT&Tグローバル・サービスのほかの拠点と協力することで、「国境、地域を超えてエキスパートを集めることができ、迅速に対応できる」という。
iGEMSコントロール・センターは、AT&Tグローバル・サービスのネットワーク運用管理サービス「iGEMSサービス」を利用している顧客向けの施設。iGEMSサービスの利用顧客は、自社のネットワークにマシントラブルやワーム、不正アクセスなどで障害が発生すると、東京・三鷹のサポート・センターに電話連絡。ネットワークを監視しているサポートセンターの技術者が異常に気付く場合もある。サポート・センターで対応が難しく、障害が広範囲になりそうな場合は、サポート・センターからiGEMSコントロール・センターに連絡がいく。iGEMSコントロール・センターでは、AT&Tグローバル・サービス内のネットワークやセキュリティの専門技術者のほかに、顧客と相談する営業責任者などが集結し、対策を検討し、実施する。
iGEMSコントロール・センターでは、三鷹のサポート・センターや海外のAT&Tのオフィスとをビデオ会議システムで結び、お互いの顔を見ながら対策を講じることができる。iGEMSコントロール・センターからリモートで顧客のサーバにアクセスして、回復措置を行うことも可能となっていて、「運用情報の一元管理」が行えるという。
AT&Tグローバル・サービスの集計によると、サポート・センターに寄せられた2002年の障害報告のうち、97%はサポート・センターの技術者が対応できる障害だったが、残りの3%はCode Red、SQLスラマーなど世界中で流行したワームや大規模なDDoS攻撃などで、予測が難しく、対応も困難だったという。これら3%の障害は発見から対策まで時間がかかると、影響が増大する。そのため、社内の専門技術者が瞬時に集まり、迅速な対応ができるようiGEMSコントロール・センターを開設したという。
AT&Tグローバル・サービスの代表取締役社長 湊方彦氏 |
iGEMSコントロール・センターをフルで利用できるのは、iGEMSサービスで最上位のプラチナコースを利用している顧客。2番目のゴールドコース、3番目のシルバーコースでは限定的なサービスとなる。
AT&Tグローバル・サービスの代表取締役社長 湊方彦氏は、「企業の間でリスクに対する意識が高まってきた」とiGEMSコントロール・センターを設立した背景を説明。ネットワークの運用管理を通じて、「回線そのものではなく、付加価値を提供したい」と述べた。また、湊氏は「今年、フォーカスしたいのはIPテレフォニーとセキュリティ」と説明し、「2ケタの成長を達成したい」と目標を示した。
(垣内郁栄)
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