ASTERIA新バージョンが今夏にも登場、インフォテリア

2003/5/9

 インフォテリアは同社のビジネス統合ミドルウェア「ASTERIA」の新バージョンを今夏から今秋にかけて出荷する考えを示した。新バージョンは、システムインテグレータ(SI)などパートナーがASTERIAに機能を追加できるようにし、製品力を高めることができる。

インフォテリアの代表取締役社長 平野洋一郎氏

 新バージョンは、コード名「Carbon」と呼ばれ、現在開発中。新バージョンがメジャーバージョンアップになるか、マイナーバージョンアップになるかは未定だという。

 ASTERIAの特徴は、システムを統合する際に、GUIを使ってアイコンを組み合わるだけでシステム構築ができること。アイコンは、対マシン、対ユーザーのインターフェイスを示し、データベース格納や電子メール送信などさまざまな機能がある。新バージョンでは、このアイコンをパートナーが開発し、ASTERIAに追加できるようにする。インフォテリアの代表取締役社長 平野洋一郎氏は、「パートナーのノウハウをアイコンにすることで、製品力を向上させる」と説明した。

 新バージョンでは、ビジネスプロセスのワークフローと自動で連携させるような機能を追加し、システム構築時に無駄な作業が発生せず、ビジネスの変化に柔軟に対応できるようにする。インフォテリアでは、これを「シナリオ・ドリブン・プロセスマネジメントに対応する」と表現している。システムの運用監視機能も強化する。

 インフォテリアは、パートナー向けにASTERIAの技術者を育成するプログラムも開始する。トレーニングを実施したり、デモンストレーションデータの提供、専用Webサイトの開設などを行う。専用Webサイトでは、技術資料のダウンロードのほかに、Q&Aや不具合情報の提供などを実施。プログラムを通じて2004年3月までに500人の技術者を育成したいとしている。

 昨年6月に出荷を開始した現行バージョンのASTERIA R2は、今年3月末までに40社以上が採用。GUIでシステム統合ができることや、さまざまなベンダ、製品に対応していることが評価されているという。採用件数のうち65%はBtoBでの利用。25%がEAIとなっているが、EAIでの利用が増加傾向にあるという。ASTERIAの販売拡大で、インフォテリアの2002年度の売上高は、前年度比2倍に伸びた。インフォテリアは、ASTERIAの英語版を今年冬にも国外で出荷する計画で、世界的な製品に育てたい考え。平野氏は、「今年度も2倍以上の成長を目指す」と決意を述べた。

(垣内郁栄)

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