「モデムは配らない」というニフティの新戦略
2003/5/9
インターネットサービスプロバイダ(ISP)最大手のニフティは、2003年度の事業方針を説明し、個人向けADSLサービスのコースを拡充させることなどを明らかにした。ISPでは、無料キャンペーンなどブロードバンドユーザーの獲得競争が激化しているが、ニフティの代表取締役社長 古河建純氏は、「街角でモデムを配布するマーケティングで、利益がでるかは疑問。そのような方法は考えていない」と述べて、有料コンテンツなどサービスの充実でユーザーを獲得する考えを示した。
ニフティの代表取締役社長 古河建純氏 |
@ニフティのブロードバンド会員(ADSL、FTTH、CATV)は2003年3月で60万人。そのうち、ADSLは51万人、FTTHが2万人、CATVが7万人となっている。ニフティはでは、2004年3月にブロードバンド会員を106万人にすることを目標としている。ADSLは、現行の12Mのコースに加えて、廉価版の1Mコース、高速な20Mコースなどを6月にも新設するという。
ブロードバンドユーザー向けのサービスも充実させる。会員間で通話できるビデオチャットを強化し、1人の映像を多数の会員が閲覧できるブロードキャストサービスを開始する。ADSLは各ISPの値下げ競争が激しくなり、接続サービスでは収益を上げにくくなっている。ブロードバンド関連のサービスを拡充し、新たな収益源にしたいところだ。
ニフティの2002年度の売上高677億円のうち、接続サービス以外の売り上げは、104億円で15.4%にすぎない。2003年度は、有料コンテンツやショッピングの売り上げ拡大で、130億円、17.8%まで伸ばすことを目指す。古河氏は、街角でADSLのモデムを配布するなどのマーケティングについて、「顧客獲得コストが高くて、利益がでるのか疑問。効率が悪い方法は考えていない」と述べて、「会員数だけを強引に伸ばすビジネスから、顧客中心モデルへの転換を目指す」と宣言した。
(垣内郁栄)
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