「UNIVERGE」、NECの新ブランドが実現すること

2003/11/28

 NECは同社の企業向けネットワーク製品を再構成し、ブランド名「UNIVERGE」(ユニバージュ)に統一すると発表した。ブランドを統一するだけでなく、APIの共通化や同社の統合運用管理ソフト「WebSAM」で一元管理できるようにし、トータルコストの削減を狙う。

NEC 執行役員常務 木内和宣氏

 UNIVERGEは「Universal」(普遍的・世界的)と「Convergence」(集中・統合)を組み合わせた造語。UNIVERGEブランドになるのは、VoIPサーバの「SVシリーズ」と、IPルータ「IXシリーズ」、マルチレイヤスイッチの「IPシリーズ」、無線LANスイッチの「WLシリーズ」、新発売するモバイルIP製品「MBシリーズ」、音声、データの複合サーバ「iExpress5800シリーズ」。WL、MBシリーズは近くUNIVERGEブランドで販売開始する。ほかの製品も2004年3月末までにUNIVERGEブランドに切り替える。NEC 執行役員常務 木内和宣氏はUNIVERGEについて、「世界共通ブランドとして確立したい」と強調。国内はもちろん、北米やアジア、太平洋地域でもUNIVERGEブランドで製品を販売する考えを示した。「最終的にはNECのネットワーク製品はすべてUNIVERGEブランドにする」という。

 NECは、自社で開発しているネットワーク機器を今後3〜4年で27機種から10機種に絞り込む方針を今年10月末に明らかにした。今回のUNIVERGEブランド創設は、その方針を受けた対応。NECの執行役員 山元正彦氏はUNIVERGE創設の狙いを「情報系、ネットワーク系の製品を同一ブランドにすることで、いままでアプローチできなかった顧客にアプローチ可能になる」と説明。情報系システムに力を入れる顧客にはネットワーク系の製品を提案し、ネットワーク系を得意とする顧客には情報系システムを売り込む考えを示した。NECでは今後3年間でSVシリーズを3000台、WLシリーズを1500台、IX/IPシリーズを5万台販売したいとしている。海外ではUNIVERGE全体で1万台を出荷したいという。

 UNIVERGEブランドの新製品「MBシリーズ」は、モバイルIP技術を利用し、社内外を問わずにセキュアにネットワーク接続させるローミングゲートウェイ製品。IPsecのモバイルVPN接続が可能で、社内外で有線、無線LAN、携帯電話のローミングができる。ローミングをしてもPCの設定変更は不要。PCにインストールしたクライアントソフトが最適な通信手段を自動で選択する。200クライアントまでの小・中規模モデル(128万円から)を12月11日に出荷。100〜1000クライアントまでに対応する大規模モデル(240万円から)を2004年1月21日に出荷する。

(編集局 垣内郁栄)

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