オープンソースの構築相談を受け付けます、アークシステム
2004/2/14
アークシステムは、オープンソース製品によるシステム構築や、すでに運用を開始しているシステムについての相談や質問を受ける包括的サービスを開始すると発表した。対象となるのは、IAサーバ上でWebサーバとしてApacheもしくはTomcat/JBoss、JavaフレームワークとしてStruts、データベースとしてPostgreSQLを利用した場合。同社はメインフレームを中心としたシステム構築や運用を中心に手がけてきたが、オープンソースについてのノウハウも社内で蓄積してきており、それらをエンドユーザーに対するシステム構築だけでなく、同業者に対するサポートや教育といった分野まで含めて提供する。
「社内の運用システムなど、コストをなかなか掛けられないところにオープンソースは向くのではないか」と語る清水氏(左)と、「ベンダの戦略に左右されることなく、ユーザー主導のシステム構築ができるようになることがオープンソースの利点の1つ」と述べた小出氏 |
同社取締役 マーケティング部長の小出誠氏は、「オープンソース製品をシステム構築に用いることで、バグに対するパッチの提供やトラブル時の問題の切り分けといった、いままで商用製品を利用しているが故にベンダに依存せざるを得なかった部分を、SIerやエンドユーザー主導で行えるようになる」と述べた。それにより、ベンダの戦略に振り回されることがなくなり、またTCOの削減も実現するという。
ただし、あらゆる場面でオープンソースが有効かというと、もちろんそうではない。このサービスを提供する技術部門の責任者であるソリューション開発部 部長の清水徹氏によると、フェイルオーバーなどの仕組みをうまく組み合わせることにより、商用製品を用いなくともオープンソース製品だけで高度な信頼性を持つシステムは構築できるが、商用製品の豊富な機能が必要な場合には、オープンソース製品にこだわらずにシステム構築をすべきだという。
オープンソース製品によるシステムインテグレーションに名乗りをあげているSIerはすでに存在するが、同社のサービスがユニークな点は、メインフレームでのノウハウを生かした高度な信頼性と運用管理を、オープンソース製品の組み合わせである程度まで実現できること、そして、すでに構築されたオープンソース製品によるシステムについての問題解決をサポートすることだ。
オープンソース製品は、ダウンロードして手軽に使い始められる半面、それを利用するための技術情報は不足している。同社では、Struts、Eclipseなどに関する技術的な質問に対して電子メールで回答したり、それらの教育を行うサービスも提供する。また、オープンソースを利用したシステムのトラブルを解析し、アドバイスを行う「システムクリニックサービス」も用意している。例えば、Apache、Tomcat、JBoss、PostgreSQLを組み合わせたシステムについて、全体の設定情報が正しいかどうかといった検証を70万円程度で調査、解決策を提示する予定だ。システム構築案件よりも、こうしたクリニックサービスへのニーズが高いのではないかと同社では予想している。
(編集局 新野淳一)
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アークシステムの発表資料
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