[eWEEK] エンタープライズ環境とJava、その関係
2004/7/9
Peter Coffee
もしあなたが来年度に向けたエンタープライズ・プロジェクトでのJavaの位置付けをいま判断しようとしているのであれば、本稿を最後までお読みいただきたい。すぐに「時の人」になれるかもしれない。
COMDEXが休眠状態のいま、展示会場で話をしようと手ぐすね引いて待つベンダ各社が筆者に近づく機会を得られるトレードショウは「JavaOne」だ。大小さまざまなIT企業の革新的なエネルギーを魅了するこのプラットフォームには、何かしら良いものがあるはずだ。
筆者は、ブースで行うインタビューの予定がぎっしり詰まったJavaOneへ向かう途中で本稿を書いている。インタビューは、エンタープライズ・ミドルウェア、アプリケーション開発、デベロッパ・トレーニング、ソフトウェア品質保証、ソフトウェア・モデリング概念、新しいスマート・デバイス構想やモバイル重視のソフトウェア市場など、多くの出展者のさまざまな取り組みの詳細を知る場となる。
例えば、火曜日(6月29日)にはアジター・ソフトウェアに話を聞くことになっている。同社の製品は、系統的にソフトウェア開発を測定し、コントロールすることを目指している。リスクの高い部分を識別して重視するコードの系統的テストは、分かりやすいコンセプトのように思える。ただ、難しいのは、問題の所在を全員に認識させる部分だ。アジターが推奨する「テストが必要な10の兆候」は、このような話題のきっかけとして有益かもしれない。
いまのところ、本1冊分に相当するチュートリアル(自慢で恐縮だが、大学では複数の講義で教科書として採用されている)を筆者に書く気にさせた言語はJavaだけだ。最大の魅力は、この言語が優秀な設計能力を見せつけている点だ。何かを実現するために機能を組み込むだけではなく、全体を強化するために故意に(機能を)省くということもしているからだ。
筆者は、言語仕様に対して、2年前のJavaOneカンファレンス開幕前に米サン・マイクロシステムズのフェローで、Javaを設計したJames Goslingと話をしたことがある。Goslingがほかのプラットフォームに対して抱いていた懸念はその後解消されたが、今後登場するツールが何を省くべきかという話の中で、いまも当てはまる重要な点を強調した。
Goslingは、「セキュリティの観点で何を立証できるかという問題が重要だ」とし、「CやC++には、サポートを回避すべきもっともな理由がある。無制限にポインタの操作が発生するからだ。セキュリティが失われ、信頼性も台無しとなって、新たな方向からセキュリティの問題が発生してくる」と例を挙げた。
このように、自由な解釈のないJavaプログラムは、Javaのプログラミング環境で理解することができる。あるJavaコードが持つセキュリティ上の意味は、自動で確認し、すぐに対処できる。これは、オラクルの「JDeveloper 10g」開発環境などで筆者が最も高く評価する仕様の1つだ。これについては、eWEEK7月5日号のOracle 10gプラットフォーム特集の中でレビューする(http://www.eweek.com/category2/0,1738,1413661,00.asp)。
ここでまた「時の人」の話題に戻る。7月19日号では、Java開発コミュニティが最も高い関心を寄せるeWEEKラボ特集を担当し、エンタープライズ環境でデベロッパがどのようにJavaのチャンスを探り、懸念に対処する予定なのかを書く。この組み合わせに役立つ情報や、特集に対する意見や要望があればメールでお知らせいただきたい。採用された場合の氏名掲載希望の有無も合わせてお伝えいただきたい([編集局より] 実際にご意見やご要望がある場合は、Mr. peter coffee:peter_coffee@ziffdavis.com.に直接お送りくださいませ)。
[英文記事]
JavaOne
Illuminates Software Supply and Demand
[関連リンク]
サン・マイクロシステムズ
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