[eWEEK] 「ピープルソフトは遅かれ早かれ買収される」、オラクル
2004/7/10
By John Pallatto
オラクルは、エンタープライズアプリケーションソフトウェア市場は競争があまりに激しいため、ピープルソフトは遅かれ早かれどこかに買収されるだろう、との自らの主張を支持する発言で証言を終えた。
司法省との反トラスト訴訟でオラクルが召喚した専門家の証人は、ピープルソフトにはミドルウェア、データベース、Webサービスと関連技術で「統合レイヤ」がないため、すでにこのような技術を持っている大企業との提携を模索しなくてはならない、と証言した。
この証人は、ピープルソフトの成長に必要な統合コンポーネントを保有しているのは、オラクル以外ではIBM、SAP AG、そしてマイクロソフトなどだ、と主張した。
カリフォルニア大学バークレー校のハースビジネススクールで経済学を教えるDavid Teese教授は、ピープルソフトが統合レイヤ技術を利用可能になるため、オラクルによる買収は「競争上のメリットがあり、効率化につながる」と語っている。
コネチカット州スタムフォードに本社を置く情報業界専門の調査会社、メタ・グループの創業者兼会長、Dale Kutnick氏は、これらのコンポーネントはピープルソフトが市場での競争力を維持するために絶対不可欠な「技術スタック」だ、と話している。
Kutnickは、もしこれらのコンポーネントを自社開発もしくは買収する現金がないならば、ピープルソフトはこれらを提供できる企業の傘下に入ることを余儀なくされるだろう、と示唆する。
司法省は、ピープルソフトのエンタープライズ業務アプリケーションが複数のデータベースとJavaやXMLなどのオープンな開発技術に対応しており、競合すると推定されるこれらの統合レイヤコンポーネントと同社のERP(Enterprise
Resource Planning)アプリケーションがすでに連動する事実をこの仮説が見落としているとする証拠を提出した。
Thomas Bartlett検事総長代理補佐は、ピープルソフトに脆弱性があるとするオラクルの主張は、ローソン・ソフトウェアやアメリカン・マネージメント・システムズといった規模の小さい人事・財務管理ソフトウェアベンダがSAPやオラクルとピープルソフトの合併会社の「有力なライバルになる」、とするオラクルの先の主張と食い違うと話す。
「私には矛盾した姿勢に思える」(Bartlett検事総長代理補佐)。
オラクルのCEO(最高経営責任者)、Larry Ellison氏は自らの証言の中で、ピープルソフトのCraig Conway氏が先に行った合併交渉を決裂させたと主張している。
小規模企業がこれほど統合レイヤの重要な市場で競争することになれば、おそらく、さらに大きな課題に直面することになるだろう、とBartlettは示唆する。
裁判所関係者によると、公開法廷での証言を終えたVaughn Walker判事は、最終弁論を両者が最終申立書を提出した後の7月20日に設定したという。関係者によると、Walker判事の判決が出るのは9月半ば以降になる模様だという。
[英文記事]
Oracle
Says PeopleSoft Buyout Is Inevitable
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