「潜在ユーザーの宝庫」、ワークスアプリケーションズが中国へ
2004/7/21
ワークスアプリケーションズはERPパッケージ「COMPANY」の中国版を開発し、中国企業を対象に2005年1月に販売を開始すると7月20日に発表した。合わせて日本企業のバックオフィス業務を請け負って中国で処理するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)のサービスも開始すると発表。ワークスアプリケーションズ 代表取締役CEO 牧野正幸氏は「中国は製造業が多く、1万人以上の企業が数多く存在する」と述べ、COMPANYの中国展開に自信を見せた。
ワークスアプリケーションズ 代表取締役CEO 牧野正幸氏 |
ワークスアプリケーションズは中国でのアウトソーシングやソフト開発を展開しているインフォデリバと合弁で中国版COMPANYの開発、販売、保守のための新会社「ワークスインフォ・アプリケーションサービス」(WIAS)を資本金6154万円で中国・無錫に8月中旬、設立する。WIASはワークスアプリケーションズが65%、インフォデリバが35%出資する。ワークスアプリケーションズは8月中にもインフォデリバに資本参加し、グループ会社化する予定。
WIASは2005年1月から中国の大企業をターゲットに中国版COMPANYを販売する。販売するのは「COMPANY 人事・給与」で、インフォデリバが持つ中国国内の北京、大連、無錫、上海、珠海の5拠点を活用。売り切りで販売する日本と異なり、初期投資が少なくて済むASP型でサービスを提供する。牧野氏によると中国には東北地方だけで従業員20万人以上の大企業が数十社あり、「COMPANYの潜在ユーザーの宝庫」だという。
ワークスアプリケーションズと新会社を設立するインフォデリバの代表取締役社長 尚捷(ショウ・カツ)氏 |
牧野氏は「COMPANYは税制など多くの制度の内在させていた。そのため中国の業務プロセスにもほぼ適合できる。中国の制度の97%に適応している」として“ノーカスタマイズ”をアピールした。牧野氏はさらに「中国で使われている外資系ベンダ製ERPの99%は(制度に適合できずに)動いていないと聞いている」として、SAPやオラクルなど競合するベンダに対するアドバンテージを強調した。WIASでは日本で2004年末に発売される「COMPANY 会計シリーズ」を合わせて、2005年7月までに全製品を中国で発売するとしている。WIASでは初年度3億円、5年後に100億円以上の売り上げを目指す。
また、ワークスアプリケーションズはインフォデリバと合弁で新会社「ワークスグローバルサービス」(資本金2000万円、ワークスが49%、インフォデリバが51%出資)を設立した。新会社は日本企業から人事、給与、総務、経理などのバックオフィス業務を請け負い、中国で処理するアウトソーシング事業を展開する。実際の業務処理は9月に中国で設立する100%子会社が行う。新会社はインフォデリバの中国拠点と連携。日本語を話せる中国人オペレータを100人前後用意し、低価格で高品質なアウトソーシングサービスを提供するとしている。
アウトソーシングの業務処理はCOMPANYを利用する。パッケージベンダ自らが業務処理を行うことで、システム運用管理の効率化やオペレータの教育コストの低廉化を図れるといい、他社のアウトソーシングサービスと比較して30%以上の低価格でサービスを提供できるという。
(編集局 垣内郁栄)
[関連リンク]
ワークスアプリケーションズの発表資料(PDF)
インフォデリバ
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