ピープル買収が進展か、独禁法訴訟でオラクルが勝訴
2004/9/14
米オラクルによる米ピープルソフトの買収提案に対して、米司法省が反トラスト法(米独禁法)に違反するとして買収の差し止めを求めていた訴訟で、サンフランシスコ連邦地裁は9月9日(現地時間)、同省の訴えを棄却した。オラクルは「この判決は買収に向けた大きな障害を取り除く」とのコメントを発表し、今後の展開への自信をのぞかせた。
米ピープルソフト 社長兼CEO クレイグ・コンウェイ(Craig A. Conway)氏 | 米オラクル CEOのラリー・エリソン(Larry Ellison)氏 |
オラクルは2003年6月にピープルソフトの買収を表明し、株式公開買い付け(TOB)を開始した。ピープルソフトはJ.D.エドワーズを買収するなど、業務アプリケーションで第2位のオラクルを脅かす存在に成長しつつあった。オラクルの買収提案はピープルソフトを吸収し、顧客を移行させるのが目的。仮に買収に成功してもオラクルはピープルソフトの業務アプリケーションを販売しないと明言していた。
司法省が買収の差し止めを求めたのは、オラクルによるピープルソフトの買収で業務アプリケーション市場の寡占化が進むと判断したからだ。業務アプリケーション市場は現在、SAP、オラクル、ピープルソフトが大きなシェアを占めている。第2位のオラクルが第3位のピープルソフトを買収することでSAPとオラクルが市場を独占し、ベンダの新規参入が難しくなるなど競争が阻害されると訴えていた。
一方、オラクルは業務アプリケーション市場は現在も競合ベンダが数多くあり、買収が成功しても競争は維持されると主張していた。サンフランシスコ連邦地裁はオラクルの主張を認め、オラクルがピープルソフトを買収してもマイクロソフトなど競合するベンダが市場に存在し、競争は維持されると判断した。なお司法省は上告できる。
サンフランシスコ連邦地裁の判断を受けてオラクルは「ピープルソフトの経営陣が私たちと会って、(買収防御条項の)ポイズン・ピルを取り除く責任がある」とコメントした。一方、ピープルソフトは「裁判所が下した判断が、当社にどう影響するかを取締役会が検討する」とのコメントを発表した。
(編集局 垣内郁栄)
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日本オラクルの発表資料
日本ピープルソフトの発表資料
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