「開発者の仕事はなくならない」、ASP.NET 2.0の進む道
2004/10/28
マイクロソフトは10月27日、4回目となる記者向けテクノロジ・セミナーを開催した。テーマは前回から引き続き、「Visual Studio 2005」および「SQL Server 2005」の技術解説である。「Visual Studio 2005」では特に、「.NET Framework 2.0」に実装されるWebアプリケーションのための開発/実行基盤「ASP.NET 2.0」の新機能を紹介した。なお、@ITではすでにASP.NETおよびASP.NET 2.0に関する技術解説記事を公開している。機能解説の詳細は下記の記事を参照していただきたい。
◇ ASP.NET 2.0が変えるWebアプリ開発の世界 第1回 (@IT Insider .NET) |
◇ ASP.NET 2.0が変えるWebアプリ開発の世界 第2回 (@IT Insider .NET) |
◇ マイクロソフトWebアプリケーション最新動向(2) (@IT Insider .NET) |
◇ ASP.NET vs. Struts (@IT Insider .NET) |
◇ プログラミングASP.NET (@IT Insider .NET) |
◇ ASP.NETで学ぶVisual Studio .NETの魅力 (@IT Insider .NET) |
マイクロソフト デベロッパー マーケティング本部 デベロッパー エバンジェリストの近藤和彦氏 |
マイクロソフト デベロッパー マーケティング本部 デベロッパー エバンジェリストの近藤和彦氏は、「ASP.NET 2.0」が登場することで「開発者のやることがほとんどなくなってしまうのではないかとの懸念をよく耳にする」と話す。
基本的な技術は「ASP.NET 1.0」および「ASP.NET1.1」と大きく異なることはないが、「ASP.NET 2.0」では、Webアプリケーション開発において、一般的に使用される機能やパターンを次々に標準化していき、デザイン画面でコンポーネントをドラッグ&ドロップするだけでWebアプリケーションの基本を構築できてしまう。「コード量の大幅な削減とともに、コードを書く作業自体も大幅に減らした」と近藤氏がいうように、デモンストレーションで行った作業に関していえば、近藤氏が直接プログラムの実行コードを書いている姿を見ることはなかった。
「ASP.NET 2.0」の開発思想がそもそも、コード量の削減による開発生産性の向上にあるのは明らかなことだが、加えて、開発作業だけではなく、配置や運用面での機能強化を目指しており、そのために配置/管理ツールの標準搭載、豊富なプログラム拡張用APIの搭載を実現している。一度作成したWebアプリケーションの拡張作業をスムーズに行うことを想定した機能改善に力を入れている点も注目される。
今回、「ASP.NET 2.0」で追加された50個以上の新たなコントロール(「データコントロール」や「ログインコントロール」「ナビゲーション」など)や、新たなページ フレームワーク機能(「マスターページ」「テーマ」「ローカリゼーション」「コンパイル機能」)、そして、ビルディング・ブロック APIとして新たに追加された「メンバーシップ」や「ロール管理」「パーソナライズ」「データベースキャッシング」「サイトナビゲーション」などからは、明らかに運用環境を想定した開発作業(保守作業といいかえてもいい)の効率化を目指す機能改善に主眼が置かれているのがわかる。
近藤氏は「『ASP.NET 2.0』の登場で開発者の仕事がなくなるどころか、顧客独自のソリューション開発に力を注ぐことができ、もっと仕事が増えるのではないか」と話す。
(編集局 谷古宇浩司)
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ASP.NETデベロッパー センター
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