データの「精度」と「鮮度」に自信あり、NCRのDWH

2004/11/10

日本NCR 代表取締役共同社長 細井英樹氏

 日本NCRは11月9日、データウェアハウス製品「Teradata Warehouse 8.0(TW8.0)」を11月24日に出荷すると発表した。金融、通信、製造各業種の大手企業を主な販売対象とする。初年度の販売目標は50億円。直販に加え、ベリングポイントなどの販売パートナー経由の販路も活用する。日本NCR 代表取締役共同社長 細井英樹氏は「(TW8.0は)日常業務の中の戦術的意思決定にも利用できる」とし、次世代のデータウェアハウスとしての位置付けを強調した。

 同社が指摘する“従来型データウェアハウス”は、企業の戦略的な意思決定を支援するDSS(Decision Support System)」としての位置付けが主流で、経営企画部門などが扱うツールとして認識されている。しかし、その段階でのデータウェアハウスの機能は、あるイベントを事後に分析し、発生原因を探ること、あるいは蓄積した分析データをもとに、今後起こるかもしれない事象の予測をするのが限界であり、例えば、基幹系のOLTPシステムからのデータをリアルタイム(分単位など)で活用し、イベントが発生した段階でデータの分析処理を開始して適切なアクションへとつなげる、などという使い方はできない。同社では、ADW(Active Data Warehouse)というデータウェアハウスの進化の概念を提唱し、このようなイベント駆動型の意思決定支援を行うデータウェアハウスの開発を行ってきた。今回リリースするTW8.0はその成果である。

 機能面での改善点で特徴的なのは、イベントベースの処理を実現するために、従来のSQLストアード・プロシージャ言語ではなく、CまたはC++でストアード・プロシージャを記述できるようにしたこと、イベント・トリガーからストアード・プロシージャを呼び出すことができるように、トリガー機能を拡張したことなどが挙げられる。また、非同期先入れ先出し(FIFO)の特性を持つ新タイプのテーブルをサポートし、アプリケーション側でポーリング処理を実装しなくても、効果的なFIFO処理を実施できるようになった。これにより、リアルタイムに近い非同期イベント処理が可能になった。

 このような機能強化により、航空業界におけるフライト遅延に伴う乗り継ぎ便の再手配及び顧客への通知や小売業における店頭商品の品切れ防止、補充発注などを自動的に行うなどのアプリケーションの構築が想定できる。

(編集局 谷古宇浩司)

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