DSIの主要コンポーネント、MOM2005日本語版リリース
2004/12/1
米マイクロソフト シニアバイスプレジデント ボブ・マグリア氏 |
マイクロソフトは11月30日、「Microsoft Operations Manager 2005 日本語版(以下MOM2005)」をリリースすると発表した。MOM2005はマイクロソフトが提唱する、“ITの複雑さを軽減するためのビジョン”「Microsoft Dynamic Systems Initiative」(DSI)を実現するための主要コンポーネントという位置付けの製品である。2004年3月18日(現地時間)にネバダ州ラスベガスで行われた「Microsoft Management Summit 2004」で、米マイクロソフト シニアバイスプレジデント ボブ・マグリア(Bob Muglia)氏が、MOM2005の概要とともに、DSIのロードマップを公表した。今回日本で行われた「Microsoft Management Summit 2004 Japan」およびMOM2005日本語版のリリース発表は、米国で行われた発表を敷衍(ふえん)している。
「DSIはとてもシンプルなビジョンである」と来日したマグリア氏はいう。DSIとはつまり、運用管理を中心に、製品を開発し、リリースしていこうとするマイクロソフトの包括的な製品戦略といいかえてもいい。DSIは大きく、3段階の考え方に分かれている。
第1は“運用を考慮した設計”であり、マイクロソフトは2005年にリリース予定の「Visual Studio 2005」をはじめとした開発ツール群にモデルベースの開発手法という概念を追加することでこのフェイズに対応する予定である。さらにこのフェイズには、最近同社が盛んに喧伝(けんでん)する“Software Factories”という開発プロセスを包含した考え方も大いに関係してくる。
第2に“運用に適したプラットフォーム”がある。マイクロソフトはこのフェイズにおいて、モデルベースの自動化されたインフラストラクチャの構築を想定している。長期的な視野でみれば、次世代Windows OSであるコードネーム“Longhorn”のリリースがこれにあたる。
そして、第3に“インテリジェントな運用管理”というフェイズがある。システムの導入から監視、更新といった運用業務の自動化を狙うこのフェイズで、MOM2005をはじめとしたツールがその威力を発揮する。
なお、システム管理製品にはHPの「OpenView」や日立製作所の「JP1」、富士通の「System Walker」のように、マイクロソフト以外のITベンダが独自に開発したものがある。MOM2005は単独でも使用可能だが、これらの既存システム管理製品と連携して使用するというケースが現実的である。そのため、同社は国内外のパートナー企業と製品面での連携作業を積極的に進めていく方針である。
(編集局 谷古宇浩司)
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