[VERITAS VISION 2005開催]
NetApp CEO、「価格ごとにストレージを使い分けろ」

2005/4/29

 サンフランシスコで開催中のイベント「VERITAS VISION 2005」では、米ネットワーク・アプライアンス(NetApp) CEO ダン・ウォーメンホーヴェン(Dan Warmenhoven)氏が基調講演を行った。ウォーメンホーヴェン氏は、講演の中で「今後はIP-SANが普及していくだろう」という予想を披露した。

 ウォーメンホーヴェン氏は、現在のストレージは、エンタープライズ向けのハイパフォーマンス分野が「ファイバ・チャネル」、サーバ向けのミドルパフォーマンス分野では「SCSI」、PC向けのローパフォーマンス分野では「ATA」が利用されていると説明。今後はこれにシリアルSCSIなどが加わっていくだろうと予測した。

ネットワーク・アプライアンス CEO ダン・ウォーメンホーヴェン氏

 データのプライオリティで考えると、「リカバリ」「部署/支社」「オペレーション」「ビジネスクリティカル」の順で高くなる。当然ビジネスクリティカルに利用するストレージは、信頼性が高く、コストも比例して高い製品を利用する必要がある。それらを踏まえて、ウォーメンホーヴェン氏は「価格ごとに利用するハードを使い分ける必要がある。高価なストレージを(ミドル、ローパフォーマンス分野で)わざわざ使う必要はない」と語った。

 同氏によると、企業の中で高信頼なシステムが求められるミッションクリティカルな業務は全体の10〜15%程度だという。従って電子メールやデータウェアハウスなどのオペレーション分野や部署/支社レベル、リカバリ用は、現在多く使われている高信頼、高パフォーマンスのファイバ・チャネルのストレージではなく、ATAベースのストレージで十分だと主張する。その理由としてウォーメンホーヴェン氏は、「ATAの信頼性が向上してきている」「シリアルATAの登場」「価格が安く費用対効果が高い」の3点を挙げた。また、ベリタスの「Enterprise Vault」と組み合わせれば、セカンダリストレージを一元管理することもできると説明した。

 ディザスタリカバリやコンプライアンス、バックアップの分野では、テープによるバックアップが実施されている場合が多いという。ウォーメンホーヴェン氏は、これをディスクからディスクにコピーするバックアップに変更することを推奨する。その理由は、テープと比較して設備コストや管理コスト、時間、リスクを低減できるからだ。特に時間とリスクはかなり削減できるとしている。ディスクからディスクへのバックアップでは、IP-SANの活用が有効。同氏は今後はIP-SANの利用が増えると説明した。

 また、ウォーメンホーヴェン氏は、ベリタスとシマンテックの合併について、「ベリタスCEOのブルーム氏から発表前日に話を聞いた。合併は非常に良いことだと思う。インフラ管理者は従来は別々だったインフラとウイルス対策管理を一元的に実施できるようになるだろう。合併後もサポート体制は変わらず、どちらのサポートに連絡しても万全の体制でサポートする」とコメントし、ベリタスとは今後も密接な関係を維持する説明した。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
ベリタスソフトウェア
日本ネットワーク・アプライアンス

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