必要なものが最初からすべてそろっているERP

2005/10/13

 グロービア インターナショナルは10月12日、製造業向け拡張ERP「glovia.com ver.7.3」を10月31日に発売すると発表した。同社 ヴァイスプレジデント 田村元氏は、「モノ作り向けのERPであり、できる限りアドオンを抑えるために中堅企業に必要な機能をほとんど盛り込んだ」と説明した。

グロービア インターナショナル ヴァイスプレジデント 田村元氏
 グロービア インターナショナルは、富士通の100%子会社。glovia.comは、ゼロックスコンピュータサービスが社内工場向けに生産と財務アプリケーションを開発したものが原型だという。この点について、田村氏は「大手ERPは多くが会計から出発して作られたものだ。しかし、glovia.comは工場の生産向けから発展した。根源にモノ作りがある」と語り、モノ作り向けに特化していることを強調した。さらに、日本からの機能要件を基に作成しているため、「国内の顧客満足度は高いだろう」(田村氏)と自信を見せた。

 特に本田技研工業など自動車メーカーの1次請け、2次請けのサプライヤー向けの機能を用意。例えば、Webサプライヤーポータルやリーン生産、電子カンバン(eKanban)といった機能を搭載しているという。また、米国ホンダからの認定を受けているため、ホンダのサプライヤーはglovia.comを利用していれば、別途ホンダから認定を受ける必要がない点が大きいという。

 田村氏は、「中堅企業だからといって、大企業より必要な機能が少ないわけではない。逆に大企業ほどアドオンにお金をかけられないので、最初から必要な機能がそろっていることが非常に喜ばれる」と説明。glovia.comではその点を重視し、“導入するだけで使える”ように作っているという。そのほか、中堅企業向けのサービスとして、データ移行ツールやウイングアークなど帳票ベンダと提携したアドオン開発、導入支援などを実施している。

 新機能には、多拠点・多国籍にまたがる企業におけるグローバルサプライチェーンへの対応や、自動車製造業向けの機能。強化されたのは、SOX法に対応したセキュリティ機能や監査機能などが挙げられる。特に製造業ではアジアで生産しているケースが多いため、シンクライアント化し、「ベトナムなどの回線が非常に細い地域でも満足して利用できるように、軽く作ることに注力した」(田村氏)と説明した。中堅企業の数社はすでに導入しており、メディアグローバルリンクスは年商20億円ながら、3カ月、数千万円での導入を実現した。

 販売目標は、2006年度末までに50サイトへの導入を挙げた。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
グロービア インターナショナル

[関連記事]
ミロク情報が中堅向けERP本格参入、単価500万円台で挑む (@ITNews)
中小企業金融の新市場「電子融資」を狙え (@ITNews)
失敗プロジェクトを撲滅する国産ERPモジュール (@ITNews)
大きな目標を掲げたSAP新社長、達成はパートナー戦略が鍵 (@ITNews)
復活したJD Edwardsブランド、中堅向けに1億円を切るERP (@ITNews)
外資の中堅市場進出に国内ベンダはどう対抗するか (@ITNews)
SAPを2週間、1500万円で導入、デルが中堅向け新パッケージ (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)