もう重いノートパソコンを持ち運ばなくていい?

2005/10/21

 米パワーハウステクノロジーズグループは10月20日、USBメモリなどの外部デバイスに自分のPC環境を保存して持ち運べるソフトウェア「Migo」を、11月初旬より販売すると発表した。まずはWebサイトからのダウンロード販売を開始し、年内にはパッケージ版を発売する予定だ。価格は両バージョンとも6090円(税込み)となる。

パワーハウステクノロジーズグループ ワールドワイドセールス担当副社長 ランディ・ヘイゲン氏
 Migoは、普段会社などで利用しているPC内の電子メールデータやInternet Explorer(IE)の「お気に入り」や「Cookie」、デスクトップの壁紙といったPC環境をUSBメモリやiPodなどの外部ストレージデバイスに入れて持ち運びできるソフトウェア。データを収納したUSBメモリなどを、自宅やインターネットカフェのPCに接続するだけで、メインPCの環境を再現し、メインPCで利用しているメールアドレスからの電子メールの送受信なども可能となる。

 実際に外部ストレージにMigoをインストールして起動すると、自分のプロフィール作成画面になり、メールの持ち運びやIEの環境などを設定することができる。「例えば、Outlookのメールは最新の7日間分だけ持ち運ぶ」といった設定も可能だ。プロフィールは「会社用」「自宅用」「外出先用」などの用途に合わせて、1つのデバイスにつき最大4つまで作成できる。

 外部ストレージには、ファイル、フォルダ、Outlookのメール、IEの設定、Cookie、履歴、壁紙などを保存することが可能で、自動的に同期させることもできる。ゲストPCで行った作業などの痕跡は、ログアウト時には一切残さずに利用することができる。このことから、パワーハウステクノロジーズグループ プロダクトマネージャ ジェフ・クーサー(Jeff Kucer)氏は「インターネットカフェで利用しても、メールやキャッシュなどを一切残さずに作業できるため、仕事上の重要なやりとりを行っても安心だ」と説明した。

 ただし、現在のところ、同期機能などはOutlookやWord、Excelといったマイクロソフト製品のみの対応となっている。また、パスワード制限やデータの暗号化機能などのセキュリティ機能はMigo側では搭載しておらず、ハードウェア側の機能に依存するという。パワーハウステクノロジーズグループ ワールドワイドセールス担当副社長 ランディ・ヘイゲン(Randy Hagin)氏は、「将来的には、Mozilla系ソフトウェアやLotusシリーズにも対応したい。日本では特にサイボウズのシェアが高いので、サイボウズへの対応も検討している」と語った。

 Migoの販売を手掛けるメディアマートは、「銀行や証券会社、製薬会社などの営業マンなどをメインターゲットに考えている。Migoをうまく利用すれば、営業マンは重いノートパソコンを持ち運ぶ必要がなくなるだろう。今後はライブドアや楽天などでのオンライン販売も検討中だ。そのほか、大学への提供やインターネットカフェとのコラボレーションも考えている」と説明。パワーハウステクノロジーズグループで日本を担当するアジア・パシフィック営業ディレクター 内藤久義氏は、「Migoの対象となるストレージデバイスは、日本では携帯電話が1番多いだろう。miniSDカードを挿入したFOMA901iシリーズ以降では、PCに携帯電話をUSBケーブルで接続すると外部ストレージとして認識されて利用可能だ。すでに海外のUSBメーカーにはOEM提供しており、今後日本のメーカーにもOEM提供していきたい」と語り、今後の方向性を示した。

Migoのインターフェイス。上部にストレージの残り容量が表示されているため、ファイルコピーの際などの目安になる デモでは、USBで接続したPSPを外部ストレージとして利用して、データ同期を行っていた

(@IT 大津心)

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Migo

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