インテルの最新技術は人間の行動を“先読み”
2005/11/9
インテルは11月8日、報道関係者向けの説明会を実施。米インテル コーポレーション インテル・シニア・フェロー兼コーポレート・テクノロジ統括本部長 ジャスティン・R・ラトナー(Justin R.Rattner)氏が、同社の研究開発状況を説明した。
米インテル コーポレーション インテル・シニア・フェロー兼コーポレート・テクノロジ統括本部長 ジャスティン・R・ラトナー氏 |
次に65nmプロセス技術では、「2006年第3四半期には50%以上が65nmプロセスで作られた製品になる」(ラトナー氏)と予測。そのほか、70MbytesのSRAMチップや連続発振シリコン・レーザなどを研究しているという。信号伝送の研究では、従来20Mbpsが限界だったが、構造変更などの工夫によって100Gbpsの伝送を目標に開発を進めているとした。
ユーザーを認識するプラットフォームの研究も行っている。具体的には、世界各地の802.11アクセスポイントやGSM基地局といった電波ビーコンの信号強度を測定し、ユーザーの現在地などを認識するための研究がされている。ユーザーを認識するプラットフォーム研究では、「加速度」や「方向」「音声」「光」「温度」「気圧」などを測定し、人間の行動を推論する。具体的には、これらのセンサーが入ったプラットフォームをベルトや洋服に装着すると、「寝ている」や「走っている」「食べている」など人間が行う15の行動を90%以上の精度で推測できるという。この技術を応用し、人間の行動を推測することでヘルスケアなどを提供できるとした。ラトナー氏は「人間の行動を先読みすることはさまざまなことに応用できる。これは、強力なツールとなり得るだろう」と語った。
インテルが昨今注力している複数コアの研究では、スレッド化されたアプリケーション開発を容易にするためのトランザクショナル・メモリを開発中だとした。具体的には、複数のメモリロケーションを同時に更新することや、設計を簡素化することでアプリケーション開発を容易にするという。この研究では、実際にトランザクションが多過ぎる場合、L1キャッシュがあふれてしまうので「Virtual Transactional Memory(VTM)」に流すことで、再演算を試みる手法などが取り入れられているとした。ラトナー氏は、「これらの研究を進めることで、1コア当たりの負荷を下げ、複数コアが進んで数十個のコアになった場合でも、作業効率を下げないことを目指している」と語り、今後の研究方針を明らかにした。
(@IT 大津心)
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