NEC、中堅企業向けERP製品を刷新、新事業部も発足

2006/5/24

NEC 執行役員常務 岩波利光氏

 NECは5月23日、ERP製品「EXPLANNER」シリーズを核に中堅企業(SMB)向けERP事業のてこ入れを行うと発表した。事業部の再編策として、NECソフト内にEXPLANNER事業部(300人体制)を4月に発足、同事業部を中心にERP事業を推進し、将来的にはNECグループのERP製品をEXPLANNERブランドとして統合する計画だ。NEC 執行役員常務 岩波利光氏はEXPLANNER事業の目標ビジネス規模を「3年間で800億円」とした。

 「EXPLANNER」シリーズは、販売・会計・人事給与などの基幹業務パッケージに、開発フレームワークと業務可視化ツールを組み合わせてセットで提供する。この基本セットに、製造、建設、食品、物流などの特定業務向けのERPシステムを追加することも可能。基幹業務パッケージに開発のフレームワークや業務可視化ツールをセットして提案するのは、「国内初の試み」だと同社では自負する。また、特定業務に対応したパッケージをサポートする点も強みだとする。

 「EXPLANNER」の現在のビジネス規模は「システムインテグレーションを合わせて年間10億円ほど」(同社)に過ぎない。2008年度でパッケージ売り上げ50億円(システムインテグレーションも含めて400億円)を実現したい(岩波氏)とする。

 国内のSMB向けERP市場は、富士通の「GLOVIA-C」をはじめ、競合製品がひしめきあう競争の激しい市場で、NECグループ内だけでも市場を食い合う製品(NECネクサソリューションズの「NEXERP」、日本事務機の「CORE Plus」など)がいくつも乱立している。さらに、海外からは米ネットスイートなど、ASPサービスを武器に同市場へ切り込んでくる新興勢力もある。しかし、同社では2007年問題への対応、日本版SOX法の対応、景気回復に伴うIT投資の活性化といった要因が同市場の成長を促すものと判断し、SMB向けERP事業のてこ入れに本腰を入れ始めた格好となった。

(@IT 谷古宇浩司)

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NECの発表資料

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