「アプリケーションはやらない」、サイベースDB専業を強調

2006/8/31

サイベース 代表取締役社長 早川典之氏

 サイベースは8月30日、リレーショナル・データベース管理システムの最新版「Sybase Adaptive Server Enterprise 15」(ASE15)を9月15日に出荷すると発表した。

 大規模データベースの構築を可能とする機能拡張を施した。1つのデータベースで32テラバイト、サーバ全体では1000ペタバイト以上の容量に対応する。1つのサーバに割り当て可能なデバイス数は20億個以上、各デバイスは4テラバイトの容量をサポートする。また、大規模用途を想定し、データのセキュリティ機能も強化した。既存のアプリケーションに格納されているデータでも、アプリケーションの修正を行わずに暗号化することが可能である。

 同社は、ASE15の新規顧客として金融業界を想定している。米国では多くの導入実績(Murex、Algorithmicsなど)があるとし、このノウハウを国内市場にも持ち込む予定。また、国内の中小規模企業向けアプリケーション・パッケージベンダと協業し、各社のアプリケーション・パッケージにASE15を組み込んでいく試みも行いながら、新たな市場の開拓に意欲をみせる。

 同社 代表取締役社長 早川典之氏は、「(オラクルやマイクロソフトなどのように)データベースベンダがアプリケーション・パッケージを扱うようになると、日本の場合、直接販売と間接販売のバランスがうまく取れないようになる」と話す。このことは、同社がデータベース専業を競合他社との差別化点としていることによる。ASE15の販売において、国内のアプリケーション・パッケージベンダと協業する施策は、特定のアプリケーション・パッケージベンダを持たない同社だからこそ展開できる営業活動だと同社は強調する。

(@IT 谷古宇浩司)

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サイベースの発表資料

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