Weekly Top 10
PDFについて見識を語れと言われたら
2007/02/13
先週のニュース記事のランキングトップは、ニュース記事のランキングをまとめた「Windows Vista大盛り上がりのワケ」だった。タレントの眞鍋かをりさんの写真が多くの読者を引き付けたようだ。実は「Windows Vistaが発売、眞鍋かをりさんも「買いました」」もその前週のランキングトップになっていて、いわば眞鍋かをりさんは@ITNewsで2週連続トップを記録したことになる。Windows Vistaが2週連続トップも同じだが……。
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そのほかの記事ではPDF関連の記事が2本ランクインしているのが目立つ。PDFは言わずと知れた電子文書のフォーマット。7位にランクインした「アドビの手を離れるPDF、実質標準から公的標準へ」は、アドビのリッキー・リバーシッジ(Ricky Liversidge)氏にPDFの国際標準化の今後について聞いた記事だが、なぜかインタビューの当日は、記者がリバーシッジ氏から「PDFの日本での可能性」について聞かれることに、多くの時間が費やされた。
PDFのコラボ利用はまだ
PDFとその作成、管理、共有のソフトウェアである「Adobe Acrobat」は欧米企業のコラボレーションの現場で幅広く使われている。しかし、日本では普及はこれからだ。日本でPDF、Acrobatの利用を伸ばすためのヒントはないか。記者が聞かれたのはそのようなことだった。記者はもちろん企業のIT担当者ではない。日本の企業組織に絡めてエンドユーザーの視点で、リバーシッジ氏に答えた。
PDFは企業に深く浸透し、ドキュメントのフォーマットとして広範に使われている。しかし、最新版のAcrobat 8が目指すようなPDFを使った文書中心のコラボレーションの普及は、まだまだ。日本企業のワークフローは上司から部下、もしくは部下から上司が多く、コラボレーションはなじみにくい。
ただ、日本企業の組織形態は変わってきていて、よりフラットになりつつある。若いユーザーの間ではコラボレーションに違和感はない。また、紙中心のワークフローをそのまま電子化できるというPDFのメリットは、既存の企業にとっても可能性があるだろう。これが記者が答えた内容だ。
ISO規格化で下地が整うか
アドビはPDFの国際標準化機構(ISO)の規格化を進めることで、日本企業や日本の官公庁での採用拡大を狙っている。特に日本の官公庁は最近、ITシステムの調達条件に標準規格を盛り込むことを重視する流れがある。PDFが国際標準になることで、日本の中央官庁が積極採用すれば、リバーシッジ氏が言うように長期的には日本企業の採用も増えるだろう。
企業内の電子文書の規格が統一されることでコラボレーションの下地も整う。電子文書のフォーマットでは、「OpenDocument Format」(ODF)とマイクロソフトの「Office Open XML」(OOXML)が注目されるが、すでに実質的な標準ともいえるPDFは、その先を行っている。
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