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WebOSはSaaS時代のポータルになれるか
2007/09/18
先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングは第1位は「ノートPCが値下げ傾向」だった。A4タイプのノートPCの8月の平均単価は12万3000円で6月と比べて7000円の低下。B5タイプも19万8000円で6月から3000円低下した。出荷台数は伸びても、販売金額が伸び悩んでいる現状が浮き彫りとなった調査だった。
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個人的に気になったのは、「WebOS『AjaxWindows』に私は疑問を抱いている」という記事。AjaxWindowsに限らず、WebOS一般について、その将来性に疑問を呈する内容となっている。
私もAjaxWindowsをはじめ、いくつかWebOSを試してみたが、このジャンルのサービスの未来が暗いものだと、現時点で言う気にはなれない。明日から使うかと聞かれれば答えはノーだが、将来性はあると思う。少し空想をふくらませてみた。
WebOSには受け入れられる素地がある
AjaxWindowsは、既存のWebサービスの多くを直接、間接に呼び出す形になっている。その結果、Webブラウザの中で実現している仮想的なデスクトップの中に、さらにWebブラウザ(のウィンドウ)が開くという不思議な状態になる。「だったら、はじめからWebブラウザとブックマークでいいじゃないか」と思う読者も多いだろう。
私もそう思っていたのだが、しばらくWebOSを使っていて、考えが変わった。WebOSの本質は、実はWebサービスをまとめ上げるポータルサービスなのではないか。クライアントOSの代替と考えるから見劣りがするのだ。比較すべきなのは、Webブラウザのウィンドウ内でドラッグ&ドロップやリサイズが可能な“ウィンドウっぽい”インターフェイスを持つ、カスタマイズ可能なポータルサイトではないだろうか。
そう考えると、WebOSには受け入れられる素地があるのではないかと思えてきた。
例えば画像データを考えてみよう。撮影した写真はアルバムサービスにアップロードする。簡単な編集機能はアルバムサービスでも提供するだろうが、今後は本格的な編集アプリケーションがSaaSで登場するだろう。そのとき、わざわざ画像ファイルをローカルにダウンロードして、別のWebサービスにアップロードするなどとは考えづらい。何らかのインターフェイスでオンライン連携することだろう。そうした水平分業や専業化が起こったとき、それらをつなぐもの、言い換えるとマッシュアップする何かが必要だ。
今後、複数のWebサービスを連携させて使う機会が増えれば、ユーザーはより自然な形の操作性を望むだろう。マッシュアップはプログラマだけのものではなくなり、ユーザーはYahoo! Pipesのようにビジュアルで直感的な形で複数サービスをつなぎ合わせることを望むだろう。
画像に限らず、たいていのサービスにはストレージが必要になる。データベースといってもいいかもしれない。例えば、新たに年賀状サービスに申し込んだとき、ネット上にある自分のフォトアルバムと、やはりネットで管理している住所録を開き、ドラッグ&ドロップして年賀状を作成するという操作はきわめて自然だ。
新しい世代のプラットフォームなのだから、新しいデザインがあってしかるべきという考えもあるし、Webブラウザだけでいいという意見もあるだろう。しかし、スタートボタン、アイコン、ウィンドウ、ドラッグ&ドロップといった“OS”に対する一般ユーザーの慣れを考えると、SaaSだ、マッシュアップポータルだと説明するより、見てすぐわかる“ウェブのオーエスです”というメタファーのほうがずっと強力だ。
タブブラウザのウィンドウサイズは固定的で、しかも基本的には1画面(1ウィンドウ)ずつしか表示できない。切り替えも面倒だ。そうしたUI上の制限も、今後さまざまなWebサービスを使うようになると大きくなってくるのではないだろうか。
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