ビジネスインテリジェンス(BI)の概要を解説した記事が多くのメディアで取り上げられるようになり、その基本的な理解は深まったと思われる。このような現状を踏まえ、本連載ではさらに一歩踏み込んだ内容として、データ分析の手法や注意点に焦点を絞った実践的な解説を展開する。(編集部)
前回の「ビジネスインテリジェンスとは何か」では、データ分析の基礎知識としてデータ分析の変遷と分析形態および分析環境について解説しました。第2回となる今回は、多次元分析を中心にデータ分析のポイントを解説します。
一般的に「データ分析」というと、難しい統計的手法を用いた分析をイメージされるかもしれませんが、そのような専門性の高い分析はここでは対象としません。一般のビジネスパーソンが実践している、定型検索や非定型検索およびレポート参照で必要となるデータ分析の主な機能を紹介します。
表1にBIツールの主な機能をまとめています。ここに挙げた機能は基本的な機能で、特に「検索機能」に関しては、BIツールとしては必要最低限の機能です。「出力機能」においても最近のBIツールにはグラフ出力のほかに、PDF、Excel、XMLなどの形式に出力できる機能が実装されています。また、エンドユーザーは使いませんが、「管理機能」は重要な機能です。
特に利用状況を把握する機能は利用頻度の低いレポートの削除やアクセスユーザー数、利用回数を把握して、サーバリソースのプランニングなどを行うのに必要な機能です。
主な機能 | 機能概要 | |
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検索機能 | 条件指定 | 定型検索であれば固定の項目に値を設定し、非定型検索であれば任意の項目に値を設定してデータを抽出する機能 |
集計 | 検索したデータを特定の項目でグルーピングして集計を行う機能 | |
ソート | 検索したデータを特定の項目で並べ替える機能 | |
計算式 | 検索したデータに構成比や予実対比などの計算した値を付加できる機能 | |
出力機能 | グラフ | 検索したデータをグラフとして表示する機能 |
各種形式出力 | 検索したデータをPDF、Excel、XMLなどの形式で出力する機能 | |
管理機能 | 利用状況 | レポート単位に利用者からのアクセス状況(回数、頻度)を把握する機能 |
アクセス制限 | レポート単位にアクセス制限を設定する機能 | |
表1 定型、非定型検索およびレポート参照におけるBIツールの主な分析機能 |
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