以上でWHS2011のサーバ側のインストール作業は終了である。後はユーザー・アカウントを作成したり、クライアントを登録したり、バックアップや復元などといった作業を行えばよい。
WHS2011の管理は、ダッシュボードと呼ばれる管理画面からすべて行う。ダッシュボードを起動するには、デスクトップ上にあるショートカットを開くか、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]−[Windows Home Server 2011]−[ダッシュボード]を選択する([ダッシュボード (セーフ モード)]を選択すると、問題回避などのためにアドインを無効にして起動できる)
WHS2011はWindows Server 2008 R2をベースにして作られているため、Windows Server 2008 R2の管理ツールもスタート・メニューなどから起動できるし、ネットワークの設定を従来のようにコントロール・パネルなどを使って行うこともできるが、基本的にはそのような操作をしてはいけない。ダッシュボードで可能な操作は、すべてダッシュボードから行うようにしないと、内部で不整合が生じる可能性があるからだ。基本的には、WHS2011のコンソール画面には直接ログオンせず、クライアント側からダッシュボードを利用するのがよいだろう。
それぞれのタスクで行うべき作業やWHS2011の管理業務などについては、次回解説する。
以上の設定でWHS2011をファイル・サーバとして利用できるようになっており、例えばファイル共有機能を使ってクライアントからアクセスすることが可能である。だがさらにクライアント側にコネクタ・ソフトウェアをインストールすれば、WHS2011の持つさまざまな機能を活用できるようになる(というより、これらの機能を使わないのであれば、単なるNASを利用するのと変わらない)。具体的には、共有フォルダの利用のほか、システムの自動バックアップ、コンピュータの状態の監視、WHS2011のリモート管理(ダッシュボード管理画面の起動)などが可能になる。
コネクタ・ソフトウェアのインストールがサポートされているクライアント環境は次の通りである。
クライアントOSの要件 | ||
Windows 7 | Windows 7 Home Basic/Windows 7 Home Premium/Windows 7 Professional/Windows 7 Ultimate/Windows 7 Enterprise/Windows 7 Starter(いずれも32bitおよび64bit) | |
Windows Vista | Windows Vista Home Basic SP2/Windows Vista Home Premium SP2/Windows Vista Business SP2/Windows Vista Ultimate SP2/Windows Vista Enterprise SP2/Windows Vista Starter SP2(いずれも32bitおよび64bit) | |
Windows XP | Windows XP Home SP3/Windows XP Professional SP3/Windows XP Media Center Edition 2005 SP3(いずれも32bit版のみ) | |
Mac OS | Mac OS 10.5以上 | |
クライアントのハードウェア要件 | ||
CPU | 1.4GHz以上 | |
メモリ | 1Gbytes以上 | |
ディスク | 1Gbytes以上の空き領域。ブート・パーティション(OSパーティション)はNTFSであること | |
コンピュータ名 | 15文字以下で、かつ、アンダースコア( _ )を含まないこと | |
クライアント・コネクタをインストールするには、WHS2011のインストール画面の最後で表示されたアドレス(http://<コンピュータ名>/Connect)へWebブラウザでアクセスする。すると次のような画面が表示される。
上のリンクをクリックしてコネクタ・ソフトウェアをダウンロードする。この例では、約200Kbytesのファイル(ファイル名は「ComputerConnector(XXX.XXX.XXX.XXX).exe」。XXXの部分はWHS2011のIPアドレスになっている)がダウンロードできた。これをダブルクリックしてインストールを開始する。インストールの最初の段階では、コネクタ・ソフトウェアのインストールのほか、必要ならば.NET Frameworkのインストールなども行われる。
ウィザードを進め、最初にWHS2011に接続/登録するためのAdministratorのパスワードを入力する。
次の画面ではローカルのコンピュータの説明文を指定する。
次に、スリープ時にバックアップするかどうかを選択する。デフォルトでは1日に1回、自動的にバックアップするようになっている。
以上でセットアップは完了である。
チェック・ボックスをオンにした状態でウィザードを終了すると、WHS2011の管理画面(ダッシュボード)が表示される。「コンピュータ&バックアップ」のタブを開くと、今登録したコンピュータが表示されるはずである。
ところでクライアント・コネクタをインストールしたコンピュータに次回ログオンすると、WHS2011の「スタート パッド」を表示するためのサインイン・ダイアログが(基本的には)毎回表示される。
スタート・パッドは、WHS2011の機能を呼び出すためのランチャーだ。例えば「共有フォルダ」をクリックすれば、サーバの公開している共有フォルダを素早く開くことができる。
実際の共有フォルダは次のように見える。
今回は、WHS2011のインストールについて簡単に解説した。次回はディスクの増設方法や共有の管理機能などについて見ていく。
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