Oracle Diagnostics Packの1機能であるActive Session Historyは、Oracle Databaseの性能情報を可視化し、データベースのボトルネックや高負荷なSQLを特定することができるツールだ。また、Oracle Tuning Packの1機能であるSQLチューニング・アドバイザは、高負荷なSQLやワークロードについて、パフォーマンスを高めるためのチューニング方法をアドバイスするSQL診断ツールである。
これらのツールを導入したことで、朋和産業におけるデータベース監視の方法は大きく変わった。従来はシステム統合監視製品の監視画面で各システムの生死確認だけを行っていたが、野上氏は「これだけでは、いざというときに何が起きたのかを把握できず、対応に時間がかかってしまいます」と話す。現在、情報システム部のオペレーティングルームには大きな監視モニターが設置されており、常にActive Session Historyの画面が表示されている。システムの性能に異変があれば、スタッフ全員が即座に気が付くようになっているのだ。
また、少しでも負荷が高まったり、通常とは異なる傾向が見られたりした場合には、即座にSQLチューニング・アドバイザを使って改善を図っている。野上氏は、「SQLチューニング・アドバイザのアドバイスに従って最適化することにより、SQLによっては実行コストが100分の1から1000分の1に低下し、劇的にパフォーマンスが改善することがあります。しかも、ボタンを数クリックするだけでチューニングが行えるため、わずか数分で作業が完了します」とSQLチューニング・アドバイザの効果の高さに驚く。
このように問題を放置せず、常にSQLのチューニングを行うことで、朋和産業はデータベースの安定運用と性能維持を実現しているのである。
「SQLチューニング・アドバイザやActive Session Historyを使っていなかったとしたら、CPU負荷が急に上昇したとしても、その理由を正確に突き止めて迅速に対策を施すのは難しかったでしょう。その場合、一般的にはCPUコア数を増設して性能改善を図ることになりますが、それでは運用コストの肥大化は避けられません。
しかし、オラクルが用意したSQLチューニング・アドバイザやActive Session Historyなどのツールを使って適切に最適化を図っていけば、リソースの浪費やコストを抑えられます。これはOracle Enterprise Managerならではの投資対効果だと感じています。こんな素晴らしいツールが用意されているのですから、使わない手はありません」(野上氏)
朋和産業は2015年、災害対策サイトの構築に向けた準備の一環として、新たに「Oracle Database Appliance X5」を導入した。こちらも最小の2コア構成で利用しているが、先に導入したV1と比べて大幅に性能が向上していると野上氏は評価する。
「例えば、データの洗い替えのような高負荷な処理に、従来のV1では48時間ほど要していましたが、X5では24時間で完了します。現状、X5に搭載されているSSDの性能を引き出すにはまだ調整の余地があると見ていますが、その状態でも処理時間が半分になっているわけですから、X5のパフォーマンスの高さには本当に驚いています。ストレージ領域が大きく拡大したこともうれしいところです」(野上氏)
データベースをV1からX5に移行するにあたり、ハードウェア変更やパッチ適用の影響から一部のSQLで性能低下が生じたが、これもOracle Enterprise Managerを活用して解決した。
「前日に実行されたSQLのうち、特に処理に時間がかかっているものがOracle Enterprise Managerの画面に表示されます。翌朝、それらのSQLに対してSQLチューニング・アドバイザを実行し、アドバイスを適用しました。それを数日間、繰り返すことにより、短期間で性能を安定させることができました。Oracle Enterprise Managerを使っていなければ、多くの時間がかかっていたでしょう」(野上氏)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年7月20日
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