特定のパラメータ設定が原因で、データベースにトラブルが発生する場合もあります。そのため、設定されている初期化パラメータを確認することもトラブル調査では非常に重要です。データベースの起動時に、デフォルト値以外の初期化パラメータの情報が「System parameters with non-default values」の後に出力されます。
Wed Mar 25 11:36:52 2015 Starting ORACLE instance (normal) (OS id: 2540) … ORACLE_HOME = /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1 System name: Linux Node name: host01 Release: 3.8.13-44.1.1.el6uek.x86_64 Version: #2 SMP Wed Sep 10 06:10:25 PDT 2014 Machine: x86_64 Using parameter settings in server-side spfile /u01/app/oracle/product/12.1.0.2/dbhome_1/dbs/spfilecdb122.ora System parameters with non-default values: processes = 500 memory_target = 796M control_files = "/u01/app/oracle/oradata/CDB122/controlfile/o1_mf_bct08f8q_.ctl" control_files = "/u01/app/oracle/fast_recovery_area/CDB122/controlfile/o1_mf_bct08gjm_.ctl" db_block_size = 8192 compatible = "12.1.0.2.0" db_create_file_dest = "/u01/app/oracle/oradata" db_recovery_file_dest = "/u01/app/oracle/fast_recovery_area" db_recovery_file_dest_size= 4560M undo_tablespace = "UNDOTBS1" …
なお、SQLを実行するためのユーティリティーツールである「SQL*Plus」からshow parameterコマンドを実行することで、現在有効なパラメータを確認することも可能です。しかし、過去に設定されていたパラメータ情報はアラートログから確認する必要があります。例えば、これまで発生していなかったエラーが急に発生するようになった場合には、正常に動作をしていた時にどんなパラメータが設定されていたかを「過去のアラートログから確認」することで調査できるわけです。
今回紹介したアラートログの出力内容の他にも、「ログスイッチの回数が急激に増えていないか」「見慣れないメッセージが出力されていないか」など、トラブル調査で確認するポイントは幾つもあります。しかし、トラブルを早期に発見し、対処していくには、日頃からアラートログを確認する習慣を付け、少なくともシステムが正常稼働している時の状態/ログの出力内容を把握しておく必要があるといえます。
サポートの現場においては、「トラブルが発生する数日前から、アラートログに警告やエラーが出力されていた」といったケースがよくあります。正常時の出力を把握した上でアラートログを確認すれば、「いつもと違う内容」に気が付く。つまり、問題を未然に防ぐことも可能になります。
今からでも決して遅くはありません。まずは利用システムのアラートログをじっくり眺めていただき、アラートログを把握する習慣を付けていただければと思います。
株式会社アシスト サービス事業部 サポートセンター所属。2007年にアシスト入社後、Oracle Databaseのサポート業務に従事。現在はサポート業務の傍ら、未解決のトラブルを一つでも多く減らせるよう、サポートセンターに蓄積されている調査のノウハウを社内外に伝える活動を行っている。
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