Forguncy 3の新機能「Excelデータの一括インポート」「PDFエクスポート」「セル分割」を試してみる特集: Forguncy 3新機能解説(1/3 ページ)

Excelライクな操作性で簡単にWebアプリを作成できることで有名なForguncyの最新バージョンにはどんな機能が追加されたのか、目玉機能を幾つか見てみよう。

» 2017年06月02日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]
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 Excelライクな画面を操作しながら、ノンプログラミングで簡単にWebベースの業務アプリを作成可能なこと、「Excel方眼紙」を意識したネーミングなどから、多くの人を驚かせたグレープシティ株式会社の「Forguncy」。その最新バージョンである「Forguncy 3」が2017年5月29日に発売された。本稿では、Forguncyの特徴をおさらいするとともに、Forguncy 3で追加された新機能を幾つか紹介する。

Forguncyの概要

 ForguncyはExcelを操作する感覚で、手軽にWebアプリを作成可能なツールだ。

Forguncy 3 Forguncy 3

 上の画像を見れば分かる通り、Excelとよく似た画面を持ち、Excelとよく似た機能や関数を利用できる。こうしたことから、これまでにExcelで行っていた組織内の処理をWebベースのものに移行する際に大きく役立つ。

簡単なWebアプリの例

 Forguncyではデータを「テーブル」と呼ばれる表形式のデータベースに保管し、WebアプリのUIは「Excel方眼紙」ライクな「ページ」を使って記述していく。テキストボックスやボタンなどのUI要素はForguncyでは「セル型」と呼ばれ、特定のセルに対してそのセル型を指定することでWebアプリのUIを構成できるようになっている。

 そして、セル型を指定して作成されたWebページの構成要素に対して「データ連結」「コマンド」などの機能を使って、ページとテーブルとの結び付きを設定していく。これにより、ページに置かれたテキストボックスにテーブルから適切な情報を表示したり、[追加]ボタンが押されたらページ内のテキストボックスから情報を収集してテーブルにデータを追加したりできる。

 セル型に加えて重要なUI要素に「リストビュー」というものがある。これはテーブルに保存されているデータをリスト形式で一覧表示するものだ。リストビューとテーブルを関連付けて、そこに表示するデータをテーブルから選択するだけで、とても簡単にExcelっぽい画面表示をWebページ上で実現できる。ある意味、Forguncyの最も特徴的な機能といえる。

 上の画像の例では、このWebアプリにはリストビューが1つと、[一括インポート]ボタンがある。そして、リストビューの[名前]列には「テーブル1の名前列のデータ」が表示されるようになっていることが分かる(ウィンドウ右側の[データ連結]タブに注目。[住所]列と[電話番号]列も同様)。最後の[詳細]リンクはForguncyが提供するセル型の1つで「ハイパーリンク」と呼ばれる。これをクリックすることで、別のページに遷移をしたり、何らかの処理を実行したりできる。リストビューと組み合わせることで、よくある「マスター/詳細」構造を持つWebアプリがとても簡単に作成可能だ。

 実際にこのアプリを実行してみると、次のような画面が表示される。ここでは詳細については触れないが、リストビューの設定次第ではリストビュー内で直接データの追加/削除/編集も行える(これらの機能をコーディングを全く行わずに実現できる)。

1行目の[詳細]リンクをクリック
1行目の[詳細]リンクをクリック
詳細データが表示される
詳細データが表示される。テキストボックスにデータを入力して[更新]ボタンをクリックすると、テーブル内のデータを更新できる

Forguncyアプリの実行画面


 リストビューには3つのデータが表示され、[詳細]リンクをクリックすると、そのデータを受け継いだ詳細ページが表示されるといった具合だ。こうした動作を設定するのが、ウィンドウ右側にある3つのタブだ。[データ連結]タブでは上で述べたような、ページのセルにどのデータを表示するかを指定する。ハイパーリンクやボタンをクリックしたときの処理は[セル型]タブで指定可能だ。一例として、[詳細]リンクを選択した状態の[セル型]タブを以下に示す。

[セル型]タブ [セル型]タブ

 ここで[コマンド]リンクを実行すると、[詳細]リンクがクリックされたときに行う処理を指定するためのダイアログが表示される。

[コマンド]ダイアログ [コマンド]ダイアログ

 ここでは[詳細]ページに「ページ遷移」するように設定されている。この指定だけで、[詳細]ページではテーブルに保存されているデータから適切な行の適切な列を選択して表示が行われるようになっている。これは不慣れな人でも直感的にアプリ開発を行えるように、Forguncyが「よろしくやってくれる」部分であり、至るところでこのような気の使い方がなされていることで、Forguncyの使いやすさが担保されているといえるだろう。

 このような「気の使い方」の別の例としては、Forguncyを起動すると表示されるチュートリアルも挙げられる。ガイドに従って操作していくだけで、今述べてきたようなForguncyの基本がおぼろげにでも把握できるようになっているのだ。また、Forguncyのさまざまなところで表示されているビックリマーク(上の[セル型]タブなどを参照されたい)にマウスカーソルを合わせれば、簡単なヒントがポップアップ表示される。さらにはオンラインヘルプやアプリ作成に役立つテンプレートもかなり充実している。

 ここでは触れなかったが、組織内での認証の流れ(何らかの申請書提出など)をアプリで実現するための「ワークフロー」などもForguncyではサポートされている。組織内でちょっとした処理をWebアプリ化するためにはうってつけのツールといえる。

ライセンスについて

 なお、Forguncyでアプリを開発するには、以下のどちらかのライセンスが必要となる。Pro版ではBasic版よりも高度な機能を利用できるようになっている(外部データベース接続機能など)。

  • Forguncy 3 Builder Basic: 中小規模/個人向け
  • Forguncy 3 Builder Pro: 企業/組織向け

 また、開発したアプリを実際に運用するためには、以下のいずれかのライセンスが必要になる。

  • Forguncy 3 Server Lite: Forguncy 3 Builder Basic向け
  • Forguncy 3 Server Standard: Forguncy 3 Builder向け
  • Forguncy 3 Server Enterprise: Forguncy 3 Builder向け

 さらにユーザーを作成して、Webアプリにログインを行うような形のWebアプリを運用する際には「Forguncy 3ユーザー認証ライセンス」も必要となる。これらの詳細については「ライセンスと価格」ページを参照されたい。

 少々長くなったが、おさらいはこの程度にして、次ページではForguncy 3で追加された特徴的な機能を見ていこう。

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