SRA OSS、商用PostgreSQLの最新版「PowerGres 9.6」をリリースパラレルクエリ、BRINインデックスなどが利用可能に

SRA OSSがPostgreSQLの商用版「PowerGres V9.6」をリリース。PostgreSQL 9.6で拡充されたパラレルクエリ、UPSERT操作、BRINインデックスなどの機能に対応。OSSの導入には技術的な不安や心配があると考える企業に向け、サポートメニューとともに展開する。

» 2017年08月28日 10時00分 公開
[@IT]

 SRA OSSは2017年8月24日、PostgreSQL互換データベース管理システム(DBMS)の最新版「PowerGres V9.6」の販売を開始した。

 PowerGresは、OSS(オープンソースソフトウェア)データベース「PostgreSQL」と完全な互換性を備えるPostgreSQLの商用版として展開する製品。「PostgreSQLをより使いやすく」「PostgreSQLをより安心して使う」「PostgreSQLに安心のサポートを」をコンセプトに、企業のOSS導入に伴う技術的な障害や不安を取り除くためのサポートメニューを用意する。レプリケーション構成やHA(High Availability:高可用性)構成にも対応する。

 PowerGres V9.6ではPostgreSQL 9.6をベースとし、パラレルクエリ、UPSERT(UPDATE+INSERT)操作、BRINインデックスなどの機能を新たに備え、同期レプリケーションも強化された。

 パラレルクエリは、1つのクエリを複数のプロセスで並列処理して高速化を図る機能。クエリによっては数倍の性能向上が期待できるとしている。UPSERTは、INSERTしようとした行が存在するならば更新(UPDATE)する処理のこと。INSERTの実行時に制約による衝突(CONFLICT)が発生した場合に別のアクションを実行させる構文が追加され、これを利用してUPSERTが可能になった。BRINインデックスは、整列に配置されたデータに対して効果を発揮する方式。バージョン9.6では、より小さいサイズでも、デフォルトのインデックス方式であるB-Treeに迫る性能を実現できる可能性が高まるとしている。

photo 「パラレルクエリ機能」に対応した

 また、同期レプリケーションについては、前バージョンまでの「スタンバイへのデータ転送まで」ではなく、「データベースへの適用」までを保証するようにしている。

 PowerGres V9.6は、Linux向けの「PowerGres on Linux」と、Windows向けの「PowerGres on Windows」で展開。価格はどちらも4万8000円(税別、以下同)+年間サポート契約。サポート価格は、1年単位の「PowerGresサポートサービス」が8万円、5年単位の「PowerGres サポートサービス 5年サポート」が36万円。オプションで「ODBCサポート」「Npgsqlサポート」も用意する。

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