Windows 10のMicrosoft Edgeで開いたWebページをInternet Explorerで開くTech TIPS

Windows 10では、標準のWebブラウザが「Microsoft Edge」に変更となっている。そのため、Internet Explorer(IE)でないと正しく表示できないWebサイトで困ることになる。このような場合にIEで開き直す方法を紹介する。

» 2017年12月18日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 10


 Windows 10では、標準のWebブラウザが「Microsoft Edge(以下、Edge)」となっており、これまでのInternet Explorer(以下、IE)とは互換性がなくなっている。そのため、IEを前提として設計されているイントラネットや一部のWebサイト、ActiveXで実装されているプラグインや各種ツールバーなどでは、正しく表示が行えなかったり、機能が正常に動作しなかったりすることがある。

 例えば、eLTAX(地方税ポータルシステム)など、公共機関のWebページではいまだにIEが必須となっている。このような場合、Edgeで開いた後、IEで開き直す必要がある。

 IEを起動し、アドレスバーのURLをコピーし、IEでペーストといった手順を踏むのは結構面倒だ。そこで、Edgeで開いたWebページを、簡単にIEで開く方法を紹介する。

[Internet Explorerで開く]を使う

 最も簡単なのは、Edgeのアドレスバー右横の[…]アイコンをクリックし、メニューで[Internet Explorerで開く]を選択することだ。これで、IEが起動し、このときEdgeで開いているWebページが、IEでそのまま開き直される。

[Internet Explorerで開く]を使ってIEでWebページを開く [Internet Explorerで開く]を使ってIEでWebページを開く

「Enterprise Mode Site List Manager」を使う

 決まりきったイントラネットやWebサイトを開く際、毎回手動で[Internet Explorerで開く]を選択するのは面倒だ。

 IEで開かなければならないWebサイトが決まっているならば、「Enterprise Mode Site List Manager」を使って、特定のWebサイトをIEで開くように指定するとよい。

 以下のWebページをWebブラウザで開き、[Download]ボタンをクリックして「Enterprise Mode Site List Manager」のインストーラー(EMIESiteListManager.msi)をダウンロードする。

Enterprise Mode Site List ManagerでIEで開きたいWebサイトのURLを作成する

 EMIESiteListManager.msiを実行し、「Enterprise Mode Site List Manager」をインストールする。デスクトップに[Enterprise Mode Site List Manager]アイコンが作成されるので、これをダブルクリックして「Enterprise Mode Site List Manager」を起動する。

 [Enterprise Mode Site List Manager]画面が開くので、[Add]ボタンをクリックする。[Add new website]が開くので、IEで開きたいWebサイトのURLを「URL:」に入力し、「Open In:」のプルダウンリストで「IE11」を、「Compat Mode:」のプルダウンリストでWebサイトが要求するIEのバージョンを指定する(Windows 10上のIE11が、指定したIEバージョンのユーザーエージェントを設定してWebサイトを開く)。

[Enterprise Mode Site List Manager]画面 [Enterprise Mode Site List Manager]画面
IEで開くように設定したいWebサイトを登録する。
互換モードの設定をする 互換モードの設定をする
作成したリストをXMLファイルで保存する(1) 作成したリストをXMLファイルで保存する(1)
作成したリストをXMLファイルで保存する(2) 作成したリストをXMLファイルで保存する(2)

 IEで開きたいWebサイトのリストができたら、[Enterprise Mode Site List Manager]画面の[File]−[Save to XML]を選択して、リストをXMLファイルで適当なフォルダに保存する。社内でリストを共有するのであれば、イントラネットのサーバに保存しても構わない。ただし、ローカルのPCからアクセスできるようにアクセス権などには注意すること。

 このXMLファイルのリストをEdgeが参照するように、レジストリでエンタープライズモードを有効にする必要がある。

レジストリでエンタープライズモードを有効にする

 [Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「regedit.exe」と入力して[Enter]キーを押し、レジストリエディタを起動する。レジストリエディタで、以下のレジストリを入力する。

 デフォルトでは、「Microsoft」より下のキーは存在しないので、「Microsoft」部分で右クリックし、メニューから[新規]−[キー]を選択して、キーを作成していくこと。また、「データ」の「files:///」以下は、「Enterprise Mode Site List Manager」で作成したXMLファイルの保存先のパスを入力する。この際、「¥」記号はエスケープするため「¥¥」と入力することを忘れないようにする。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディタの操作は慎重に行うとともに、あくまでご自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


項目 内容
キー HKEY_LOCAL_MACHINEの
\SOFTWARE\Policies\Microsoft\MicrosoftEdge\Main\EnterpriseMode
値の名前 SiteList
REG_SZ(文字列)
値の内容(データ) files:///C:\\Users\\<ユーザー名>\\Documents\\<ファイル名>.xml
設定するレジストリ
[ドキュメント]フォルダに設定ファイルを保存した場合のレジストリ例。

レジストリを設定する レジストリを設定する

反映されているか確認する

 Microsoft Edgeを起動し、アドレスバーに「about:compat」と指定し、「Enterprise Mode Site List」にチェックを入れ、「Microsoft Compatibility List」のチェックを外すと、「Enterprise Mode Site List Manager」で設定したWebサイトの一覧が表示されるはずだ。

「about:compat」で設定したリストを確認する 「about:compat」で設定したリストを確認する

 さらにIEで開くように設定したURLをMicrosoft Edgeのアドレスバーに入力してみる。自動的にIE 11が起動し、指定したURLが開くはずだ。またIEで開くように設定したURLがリンクになっている場合でも、リンクをクリックするとIEが起動し、そのWebページが開かれる。

IEで開くように設定したWebサイト IEで開くように設定したWebサイト
リンクであっても、自動的にIEが起動して、WebページがIEで開く。

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