仮想通貨の採掘には高性能なGPUを備えた専用マシンとアプリケーションが多く使われています。最近では「Coinhive」を筆頭にJavaScriptを使って、閲覧者がブラウザでWebページを表示するだけで、閲覧者側の計算能力を使って仮想通貨を採掘できるようになっています。
攻撃者は乗っ取ったサーバやPCをこれまでもさまざまな目的で悪用してきました。最近では仮想通貨を採掘させることが多くなっています。被害者のPCに不正なプログラムを埋め込み、実行させて、仮想通貨を採掘させる手法や、クラウドサービスのアカウントを乗っ取って仮想通貨を採掘させるなどのやり方が広がっています。
この2つを組み合わせて、攻撃者がWebサイトを書き換えて仮想通貨を採掘させるJavaScriptを埋め込み、書き換えたページを不特定多数に閲覧させて仮想通貨を採掘させることも多くなっているようです。
このような悪用が増えてきたためか、「Coinhiveを設置したことで警察の捜査を受けているとの相談が、複数寄せられています」という@HiromitsuTakagi氏のツイートが投稿されて、TLを騒がせました。
「Coinhive」スクリプトの基本的な使い方は、自分のサイトに設置して、見に来たユーザーに採掘してもらうというものです。しかし、スクリプトの設置がウイルスと同じような「不正指令電磁的記録の供用」とされてしまうのではないか、というTLがありました。岡崎市立中央図書館を攻撃したとして、クローラーを書いて動かしていた個人が誤認逮捕されてしまったLibrahack事件のようになってしまうのではないか、と懸念を示すツイートもありました。
Coinhiveが違法であるなら、同じようにWebサイトに設置してJavaScriptで広告を表示することはなぜ違法でないのか、バナー広告と大した違いはないのに、それがどうして罪になるのか分からない、さらに仮想通貨の採掘よりも動画広告をダウンロードさせられる方が「ギガが減って困る」というツイートもありました。
この他にも5月のセキュリティクラスタは次のような話題で盛り上がっていました。6月はどのようなことが起きるのでしょうね。
山本洋介山(NTTコミュニケーションズ株式会社)
Webサイトの脆弱性を探す仕事の傍ら「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているTwitterウォッチャー。たまにバグバウンティもしています。
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