アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(93)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報の出力について解説します。

» 2022年03月15日 05時00分 公開
[椎名武史@IT]

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_fts_active_catalogs」における、アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。

概要

 SQL Serverではフルテキスト検索の機能を使用して、英語や日本語など、特定の言語の規則に基づいた言語検索を実行できます。フルテキスト関数を使用して大量のテキストデータを対象としたテキスト検索を行う場合、全文検索を行うLIKE句と比較して高速に実行できます。フルテキスト検索では、フォーマットされたバイナリデータ(Microsoft Wordドキュメントなど)を対象とすることもできます。

 フルテキスト検索を使用するには、SQL Serverインスタンスに「検索のためのフルテキスト抽出とセマンティック抽出」機能を追加する必要があります。また、データベースにフルテキストカタログを作成し、対象のテーブルに対してフルテキストインデックスを作成する必要があります。

 「sys.dm_fts_active_catalogs」では、アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報を出力します。

出力内容

列名 データ型 説明
database_id int データベースのID
catalog_id int フルテキストカタログのID
memory_address varbinary(8) 作成アクティビティーに割り当てられたメモリアドレス
name nvarchar(128) フルテキストカタログの名前
is_paused bit フルテキストカタログ作成が一時停止されているかどうか
status int 現在のフルテキストカタログの状態
status_description nvarchar(120) 現在のフルテキストカタログの状態の説明。次のいずれかになる
 Initializing
 Available
 Paused
 Temporary error
 Remount needed
 Shutdown
 Quiesced for backup
 Backup is done through catalog
 Catalog is corrupt
previous_status int 以前のフルテキストカタログの状態
previous_status_description nvarchar(120) 以前のフルテキストカタログの状態の説明。次のいずれかになる
 Initializing
 Available
 Paused
 Temporary error
 Remount needed
 Shutdown
 Quiesced for backup
 Backup is done through catalog
 Catalog is corrupt
worker_count int 現在処理しているスレッドの数
active_fts_index_count int 設定されているフルテキストインデックスの数
auto_population_count int 自動作成が進行中のテーブルの数
manual_population_count int 手動作成が進行中のテーブルの数
full_incremental_population_count int 完全作成または増分作成が進行中のテーブルの数
row_count_in_thousands int フルテキストカタログ内の全てのフルテキストインデックスの推定行数(1000行単位)
is_importing bit フルテキストカタログがインポートされているかどうか

動作例

 フルテキストカタログが設定されているSQL Serverで、フルテキストカタログを再構築しながら「sys.dm_fts_active_catalogs」を実行すると、アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報が出力され、「active_fts_index_count」列などでアクティブなインデックスの数などが確認できました(図1)。

図1 図1 アクティブなフルテキストカタログの一覧に関する情報が出力された

 SQL Server 2016以降の非推奨項目として「is_paused」列、「status」列、「status_description」列、「previous_status」列、「previous_status_description」列、「worker_count」列、「row_count_in_thousands」列が指定されています。代替項目はありませんが、これらの列の使用は避け、非推奨対象項目以外の情報を抽出するようにしてください(図2)。

図2 図2 非推奨項目以外の列を出力した結果

※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019」をインストールした環境を想定して解説しています。

筆者紹介

椎名 武史(しいな たけし)

日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。

伊東 敏章(いとう としあき)

日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。


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