GitHubは、GitHub Copilot Chatに関する調査結果を発表した。同社によると、GitHub Copilot ChatとGitHub Copilotを使ってコードを作成することで、85%の開発者がコードの品質に自信が持てるようになったと感じているという。
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GitHubは2023年10月10日(米国時間)、GitHub Copilot Chatに関する調査結果を発表した。同社によると、GitHub Copilot Chatを有効にした場合、作成およびレビューされるコードの品質が全体的に向上するという。
2022年に実施した調査では、GitHub Copilotを使用している開発者は55%速くコーディングしていることが明らかになった。従来、素早く作業を行うことと正しく作業を行うことは、多くの場合トレードオフの関係にあった。「人工知能がますます多くの開発者のためにコードを書き続けるようになるにつれ、優れたコード品質を確保することがさらに重要になっている」(GitHub)
コードの品質を測定するために、GitHubは内部で使用する5つのメトリクスを開発した。調査に参加したユーザーはこのメトリクスを使って、強力なコードと速度を低下させるコードを区別した。
コードは言語のイディオムや命名パターンに従っているか。読みにくいコードは保守や改善、文書化が難しくなる。
コードは再利用できるように書かれているか。コードの再利用は開発者の共同作業の要で、時間とエネルギーを節約するだけでなく、サイロ化を解消して全体としての一貫性も生み出す。
コードは繰り返さないものを用いているか。コードの繰り返しが少ないほど読みやすく、理解しやすいため、構築しやすくなる。複雑なコードはバグや問題を引き起こし、修正するのが困難になる。
コードの機能が明確で透明性があり、目の前の問題に関連するように書かれているか。保守性の高いコードとは、開発者が依存関係を最小限に抑えることを意味する。保守性の高いコードは、開発者がコードを検索し、再利用する能力にも影響する。
コードはエラーを予測して対処しているか。修復が早いコードは、エラーが発生してもその機能を維持する(あるいは少なくとも中断を最小限に抑える)。これは、コードが機能することを保証するのに大いに役立つ。
GitHubは今回の調査でGitHub Copilotとそのチャットbot機能によって作成されたコードの認知品質が向上するかどうか、コードのレビューに必要な時間が短縮されるかどうか、ユニットテストに合格するコードが作成されるかどうかを調べた。その結果、開発者はGitHub Copilotを使用することでコーディングが向上したと感じていることが分かった。GitHub Copilot ChatとGitHub Copilotを使ってコードを作成することで、85%の開発者がコードの品質に自信が持てるようになったと感じているという。
また、GitHub Copilot Chatを使うと、コードレビューが15%速くなるという結果が得られた。加えて、より高い割合でコメントが受け入れられるようになり、実際に参加者の約70%がGitHub Copilot Chatを使用したレビュアーからのコメントを受け入れている。
「この結果は、GitHub Copilot Chat がコラボレーションに与える影響を示しており、大規模な組織の大規模なエンジニアリングチームに拡大することの潜在的な影響を強調している。最初から品質の高いコードを作成することで、あとでコードを元に戻す必要がなくなり、追加のテストが不要となる」(GitHub)
GitHubは、GitHub Copilot Chatを活用すれば適切な作業を素早く行うことができると主張している。
「GitHub CopilotとGitHub Copilot Chatは、開発者の集中力を高めつつフローを維持し、仕事に喜びを見いだせるようにすることで、開発者の生活を向上させるために開発された。結果としては、これらのAIツールが期待以上の結果を出していると示している」(GitHub)
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