2024年のサプライチェーンテクノロジートレンドトップ8 Gartnerが予測人間と機械の相互作用が複数のトレンドをけん引

Gartnerは、2024年のサプライチェーンテクノロジートレンドのトップ8を発表した。2024年のトレンドの大きなテーマは、新興テクノロジーを活用したビジネスコントロールの必要性と、人間と機械の相互作用を通じた競争力の向上だ。

» 2024年04月11日 08時00分 公開
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 Gartnerは、2024年3月20日(米国時間)、2024年のサプライチェーンテクノロジートレンドのトップ8を発表した。

 2024年のサプライチェーンテクノロジーのトレンドは、サプライチェーンリーダーが新興テクノロジーを活用してビジネスをコントロールし保護する必要性と、人間と機械の相互補完を通じた競争力の向上という大きな2つのテーマで構成されているという。

2024年サプライチェーンテクノロジーのテーマ別トップトレンド

 Gartnerのサプライチェーンプラクティスのアナリストでバイスプレジデントを務めるドワイト・クラピッチ氏は、次のように述べている。「トップトレンドの重要性は、組織の成熟度だけでなく、業界、ビジネスニーズ、戦略計画によっても異なる。革新的なサプライチェーンリーダーは、2024年のミッションクリティカルな目標を達成するために、複数のトレンド間で戦略と投資を結び付けるだろう」

 Gartnerが予測するサプライチェーンテクノロジーのトレンドは以下の通り。

1.サイバー恐喝

 サイバー犯罪者は、サプライチェーンの組織体から資金を脅し取るためにランサムウェア攻撃を実行し、大きな成功を収めている。今後はAI(人工知能)の力を利用して高度な攻撃ツールを生成し、攻撃をさらに効果的なものにする可能性が高い。サプライチェーンテクノロジーのリーダーは、ITリーダーと協力して、ランサムウェア攻撃のシナリオが企業のリスク管理プロセスに含まれていることを確認し、詳細なランサムウェア対応戦略を作成する必要がある。

2.サプライチェーンデータガバナンス

 高度なアナリティクスとAI技術のための強力なツールの出現により、部門横断的な可視化、シナリオモデリング、意思決定を自動化するための機能が大幅に拡張されている。これらの技術がますます採用されるにつれ、高レベルのデータ品質と厳格なガバナンスプロセスを維持することの重要性が高まりつつある。

3.エンドツーエンドの持続可能なサプライチェーン

 持続可能性に関連する法規制は世界的に拡大し、自主的なコンプライアンスから法規制順守へのシフトを促している。その結果、サステナビリティデータの精度は、指標ではなく投資基準として使えるものに引き上げられる必要がある。ステークホルダーのニーズを満たすと同時に、社内での判断基準として使うためだ。

4.AI対応ビジョンシステム

 AI対応ビジョンシステムは、産業用3Dカメラ、コンピュータビジョンソフトウェア、高度なAIパターン認識技術を組み合わせた新しいハイパーオートメーションソリューションだ。これらのソリューションは、リアルタイムで見る非構造化画像に基づいて、自律的にキャプチャー、解釈、推論を行える。

5.拡張コネクテッドワークフォース

 拡張コネクテッドワークフォース(ACWF:Augmented-Connected Workforce)構想は、従業員が十分に生産性を発揮できるようになるまでの入社後の所要時間を短縮し、意思決定を改善する。ACWFは、インテリジェントテクノロジー、ワークフォースアナリティクス、スキル増強を緊密に結び付けて連携させることで、より効果的に働くシステムやプロセスを作り上げ、人間から得られる価値を最適化する戦略だ。

6.複合AI

 複合AIは、複数のAI技術を組み合わせて利用し、学習の効率と精度を向上させ、知識表現の幅を広げ、最終的にはサプライチェーンのパフォーマンス向上を促進しさまざまなビジネス課題を解決する手法のことだ。全てに対応できるような1つのアプローチよりも、ユースケースの文脈に応じて、複数の技術を組み合わせたり、異なるAI技術を適用したりすることが、より効果的なケースがある。

7.次世代ヒューマノイドロボット

 次世代ヒューマノイドロボットは、感覚認識と移動操作およびダイナミックな移動能力を組み合わせることで、これまでは人間に委ねられていた物理的な作業を行う。ヒューマノイドロボットは一般的に、環境を感知するためのセンサーやカメラを備えた頭部、動力や機械装置を内蔵する胴体、物品を所持、操作、運搬するための腕や手/グリッパー、ダイナミックな移動のための脚部など、人間の体を模倣したものとなる。

8.マシンカスタマー

 マシンカスタマーとは、支払いと引き換えに商品やサービスを自律的に入手する、人間以外の経済主体のことだ。機械の顧客の例として、人間の命令とは無関係に注文を出す、IoTに接続されたデバイスや資産を維持するインテリジェントな補充アルゴリズム、消費者にセール情報を提案するインテリジェントアシスタントなどが挙げられる。

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