Amazon EC2とは? 「AMI」「インスタンスタイプ」など基礎知識を分かりやすく解説

Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)とは、AWS上に仮想サーバを提供するためのサービスです。インスタンスという単位で仮想サーバが管理され、マネジメントコンソールから数クリックで、VPCのサブネット内に作成することができます。

» 2025年09月05日 05時00分 公開
[@IT]

※本稿は、SBクリエイティブ発行の書籍『AWS運用入門 改訂第2版(2025年7月18日発行)』の中から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部編集の上、転載したものです。

 Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)とは、AWS上に仮想サーバを提供するためのサービスです。インスタンスという単位で仮想サーバが管理され、マネジメントコンソールから数クリックで、VPCのサブネット内に作成することができます。

photo Amazon EC2の範囲(赤枠)

AMIとは

 AMI(Amazon Machine Image)は、 EC2インスタンスの元となるイメージ(サーバ設定のテンプレート)です。AWS側でMicrosoft Windows ServerやRed Hat Enterprise Linuxなど、さまざまなOSのAMIを用意しています。仮想サーバ(EC2インスタンス)作成時に、どのAMIを使用するか選択します。

 また、AMIは自分で作成することも可能です。これをカスタムAMIといいます。最初はAWS側が用意したAMIを使ってEC2インスタンスを作成しますが、作成後にソフトウェアをインストールしたり、設定を変更したりして、AWS側が用意したAMIとは違う内容になります。この変更した後の状態でカスタムAMIを作成することが可能です。

photo EC2インスタンスとAMIの関係

 AMIにはOS情報やEBSのバックアップであるスナップショットが含まれます。EBSはEC2のデータを保管するストレージです。カスタムAMIを利用することで、別のアベイラビリティゾーンにカスタムAMIから同じ設定のサーバを作成して冗長構成にしたり、障害発生時にカスタムAMIからサーバを作成して復旧させたりすることが可能です。

photo AMIの利用用途

 カスタムAMIを作成する時は、EC2インスタンスを停止してから行うことを推奨します。理由は、EC2インスタンスで何かの処理が行われていた場合、処理中の状態でAMIを作成するとデータの不整合(ファイルシステムで管理している情報と実際に保管されている情報に矛盾がある状態)が起きる可能性があるためです。

 具体的には、処理中の状態で取得したAMIからでは正常にEC2インスタンスを作成できない、もしくは起動できない可能性があります。どうしても停止ができない時は、夜間などEC2インスタンスで処理を行っていない時間に作成することで不整合が起こりにくくなります。

インスタンスタイプ

 インスタンスタイプでは、作成する仮想サーバのスペックを指定できます。インスタンスタイプはCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークキャパシティーの組み合わせで構成されており、t4g.microやc7i.xlargeのように表記されます。

 最初の「t」や「c」はシリーズと呼ばれ、インスタンスの種別を表します。例えば、高性能なCPUが利用できるコンピューティング最適化なら「c」、メモリ内の大きなデータが処理できるメモリ最適化なら「r」ではじまります。

 次の数字はインスタンス世代を表し、数字が大きいほど新しい世代です。世代が新しいほど高性能でコストパフォーマンスが高いため、新しい世代の利用が推奨されています。次の「g」や「i」はオプションで、追加機能などを表しています。「g」はAWS Gravitonプロセッサ、「i」はIntelプロセッサを搭載しています。次の「micro」や「xlarge」はインスタンスサイズを表し、大きいほうがスペックは高くなります。

photo インスタンスタイプの表記

 インスタンスタイプは、これらの要素を合わせてスペックを決めています。また、EC2インスタンス作成後でもこのインスタンスタイプは簡単に変更できます。

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