GitHub CopilotのAIモデル、どれを選べばよいのか? 公式ブログが解説Deep Insider Brief ― 技術の“今”にひと言コメント

GitHub Copilotで利用できるAIモデルの使い分けについて、GitHubが公式ブログで解説した。用途(タスク)に応じた最適なモデルの選び方が整理されており、初心者でも参考にしやすい。

» 2025年09月11日 05時00分 公開
[Deep Insider]
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 GitHubは2025年8月29日(英語版、日本語版は同年9月5日)、AIによるプログラミング支援ツール「GitHub Copilot」で利用できるAIモデル(例:GPT-4.1やClaude Sonnet 3.7)の中から、最適なモデルを選ぶための指針となる情報を解説した公式ブログ記事を公開した。

GitHub Copilotで利用できるAIモデル一覧(Agentモード選択時) GitHub Copilotで利用できるAIモデル一覧(Agentモード選択時)
2025年9月8日時点、バージョン1.103.2のVisual Studio Codeでの表示例。なお、AskモードやEditモードでは、利用できるモデルの一覧内容が異なる場合がある。

 GitHub Copilotには、さまざまなAIモデルが用意されている。ドキュメント作成を助けるもの、質問にじっくり考えて答えるもの、そしてコーディングに強いものなどだ。こういった特徴を知っておけば、ユーザーは状況に応じて使い分けられるようになる。

 公式ブログ記事では、各モデルの特徴がまとめられている。そこからリンクされた公式ドキュメントには、用途(タスク)ごとにどのモデルが適しているかが、より具体的に示されている。


一色政彦

 Deep Insider編集長の一色です。こんにちは。

 私の場合、基本的にはデフォルトの「GPT-4.1」のまま使っています。でも今後は、この情報を参考に用途に応じた適切なモデルを選んで、開発や作業の生産性を高めたいですね。

 ただし、有償プランでは「プレミアムリクエスト乗数(premium request multiplier)」と呼ばれる価格設定があるため、特に価格の高いものは重要な作業に限って使うことになると思います。


 以下では、公式ブログと公式ドキュメントで示された用途(タスク)別のAIモデルを、コンパクトに箇条書きでまとめた。日本語訳にはChatGPTを用いており、一部に意訳を含む。

用途別のAIモデルの使い分け指針

通常のコーディングと文章作成

 日常的なコーディングや、文章/ドキュメントの作成など、品質・速度・コストのバランスが必要な場面に向いたモデル群。

  • GPT-4.1: 多くのタスクで信頼できる初期選択肢。高速で正確、チャットと補完の両方で安定
  • Claude Sonnet 3.7: 体裁の整った出力が得やすく、書式指示に従わせやすい
  • Gemini 2.0 Flash: 低遅延で(=応答が速く)、短い質問や軽量作業に好適。コスト効率も良い
  • o4-mini: 速度とコスト効率を優先した軽量モデル。リアルタイム提案に向く
  • Grok Code Fast 1: コーディング特化。高速性と、多言語でのコード生成やデバッグに強み

単純作業や反復的作業への高速な支援

 ユーティリティ関数の生成や、ちょっとした構文確認、軽い試作など“速さ最優先”の場面に向くモデル群。

  • o4-mini: 繰り返し作業や単純作業に向き、簡潔な提案を高速に返す
  • Claude Sonnet 3.5: 速さと出力品質のバランスが良く、小規模な作業や簡易なコード説明に適する
  • Gemini 2.0 Flash: 非常に低遅延で(=応答が速く)、対話が軽快

高度な推論とデバッグ

 多段の論理展開や、設計判断、複数ファイルにまたがるバグ解析など“深く考える”処理に適したモデル群。

  • GPT-5 mini: GPT-5より軽量ながら深い推論に強く、対話的な段階的解析に好適
  • GPT-5: 複雑な推論や、コード分析、技術的意思決定で高い安定性
  • o3: アルゴリズム設計や、システムレベルのデバッグ、アーキテクチャ判断に強い
  • Claude Sonnet 3.7: 高速タスクと深い思考の両方に対応するハイブリッドな推論特性
  • Claude Sonnet 4: 3.7比で信頼性が向上し、厳密な出力指定や複雑な前提条件にも対応しやすい
  • Claude Opus 4.1: Anthropic系で最上位クラス。多層的な推論と複雑課題で力を発揮
  • Claude Opus 4: 戦略立案や、難所デバッグ、多段ロジックに強み
  • Gemini 2.5 Pro: 長いコンテキスト(文脈)を扱う高度推論や、技術調査、複雑なデバッグに適する

ビジュアル(図やスクリーンショット)の操作

 UI(画面)のスクリーンショットや、システム構成図、ダイアグラム(図)など“画像を手掛かりにする”作業に強いモデル群。

  • GPT-4.1: 信頼できる初期選択肢。図やUIを踏まえた説明と推論にも対応
  • Claude Opus 4: 高度な推論と組み合わせた視覚(ビジョン)タスクに対応
  • Claude Sonnet 4: 3.7比で出力の信頼性が向上
  • Gemini 2.0 Flash: 低遅延で、ダイアグラムやUIレイアウトの即時フィードバックに好適
  • Gemini 2.5 Pro: 視覚文脈と深い推論を要する複雑なタスクに有効

 本稿では、公式ブログ記事を紹介し、用途(タスク)別の使い分け指針について公式ドキュメント「AIモデルの比較」の記載内容をまとめた。この情報が実務で参考になれば幸いだ。なお、利用可能なモデルはモード/開発ツール/プランで異なるため、利用開始前に最新の公式ドキュメントの「AIモデルの一覧」を確認することをお勧めする。

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