企業におけるAIエージェントの導入効果を最大化するマネージドサービス 日立製作所が提供開始SRE手法を活用した継続的運用改善サービス

日立製作所は「HARC for AI」の提供を開始した。AIを業務に本格適用する顧客向けにAI特有の運用課題の解決を支援する。

» 2025年10月09日 08時00分 公開
[@IT]

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 日立製作所は2025年10月7日、「Hitachi Application Reliability Centers for AI」(以下、HARC for AI)の提供を開始すると発表した。これは、企業におけるAI(人工知能)エージェント導入効果を最大化することを目指し、AI特有の運用課題を解決しながらガバナンスと継続的な運用改善を支援するマネージドサービスだ。

画像 HARC for AIの概要(提供:日立製作所

AIの安定稼働と継続的な性能向上を実現

 同サービスは日立製作所が提供するマネージドサービスおよびアドバイザリーサービスである「Hitachi Application Reliability Centers」(HARC)をAIエージェントに対応させたもので、2025年4月から海外向けに先行提供してきたものを、国内市場向けに強化して展開する形だ。

 日立製作所は「クラウドネイティブな運用改善を推進するSRE(Site Reliability Engineering)の手法に基づいて、HARCの実績と日立製作所のAI運用ノウハウを組み合わせて、AIを業務に本格適用する顧客向けにAI特有の運用課題の解決を支援する」と説明している。

 HARC for AIの主な特徴は次の3つ。

1.ガバナンスとコスト評価

 ガバナンスについては、日立製作所が提供している生成AIの開発、運用フレームワーク「R2O2.ai」に基づいた継続的な改善によって業務品質を向上させる。コスト評価については、FinOpsプラクティスに対するKPIを設定し、追跡することによって、IT部門と財務部門、利用部門でFinOpsチームとして共通した評価基準を策定するためのアセスメントとアドバイスを提供する。

2.AIエージェントのデータアクセス制御とセキュリティリスクへの対応

 HARC for AIは、AIエージェントが連携する環境での複雑なデータアクセスの認証、認可をMCP(Model Context Protocol)などのオープン標準プロトコルで統一的に管理し、制御する。AIエージェントの連携で複雑化するデータアクセスの認可を事前に定義して監視するため、意図しないデータの流出や、AIエージェントの認証情報の改ざんによるなりすましなどを防止できる。

3.AIエージェントやアプリケーションの改善サイクルの加速

 APIや開発の基盤設計と実装、そして継続的な改善には、プラットフォームエンジニアリングの高度なスキルが必要だ。そういったスキルを持った日立製作所のエンジニアが各種対応を支援する。これによって社内のエンジニアのスキルに依存することなく生産性を向上させ、AIエージェントやアプリケーションの開発、改善サイクルを加速することが可能だ。

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