GPUリソースを相互再販する「日本GPUアライアンス」 KDDI、さくらインターネット、ハイレゾの3社が設立国内のAI開発支援に向けて、GPUリソースの供給体制を強化

KDDI、さくらインターネット、ハイレゾの3社は「日本GPUアライアンス」を設立した。急速に高まるGPU需要に対し、柔軟かつ安定的に高性能GPUリソースを供給する体制の構築を目指す。

» 2025年10月22日 09時00分 公開
[@IT]

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 KDDI、さくらインターネット、ハイレゾは2025年10月21日、「日本GPUアライアンス」の設立を発表した。同アライアンスを通じて、KDDIが導入予定の「NVIDIA GB200 NVL72」、さくらインターネットの生成AI(人工知能)向けクラウドサービス「高火力」、ハイレゾのGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を相互再販するという。

 3社は、経済産業省から「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定を受け、国内のAI開発企業にコンピューティングリソースを提供している他、2025年4月には「GPU需要への対応に向けた基本合意書」を締結している。

 複数事業者によるアライアンスにより、急速に高まるGPU需要に対し、柔軟かつ安定的に高性能GPUリソースを供給する体制の構築を目指す。

日本GPUアライアンスの役割、4つの施策

 日本GPUアライアンスは、以下の4つを主な取り組み内容として挙げている。

  1. 高性能GPUリソースの安定供給:顧客ニーズに応じた最適なGPUの相互再販
  2. 用途に適した環境の提供:顧客のモデル規模やコスト要件に応じた選択肢の整備
  3. 国産クラウドによるセキュアな環境の提供:データの国内保持を重視する顧客向けの環境整備
  4. アライアンス体制の強化:需要予測などの情報共有や、新規参加条件の公開によるオープンな協力体制の構築

 3社は今後、同アライアンスへの参加条件を公開し、より多くの企業、団体の参加を促す計画だ。


 生成AIの開発、活用が業界や業種を問わず注目される中、高性能GPUリソースの確保は企業にとって喫緊の課題となっている。特に大規模なAIモデルの開発・推論には高性能GPUが不可欠であり、世界的に高性能GPUの需要は供給を大幅に上回る状況が今後も続くとみられる。

 こうした中、企業はGPU不足の問題に加えて、AI開発で扱う機密データや学習済みモデルを国外のデータセンターに持ち出すことによるセキュリティや、データ主権(データガバナンス)上の課題にも直面している。

 アライアンスの設立は、これらの課題に対し、3社が高性能GPUリソースを相互融通して応える動きと位置付けられる。企業にとっては、自社のAIモデルの規模やコスト、セキュリティ要件に応じて、どのサービスを選択すべきか再考するきっかけとなりそうだ。

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