新人、集合研修で「伝説」を作る:システム開発プロジェクトの現場から(21)(3/3 ページ)
開発現場は日々の仕事の場であるとともに、学びの場でもある。先輩エンジニアが過去に直面した困難の数々、そこから学んだスキルや考え方を紹介する。
伝説をつくった新人
この一件でプレゼンについて多少の自信を持つことができ、無事研修も終盤へ。そして再びAさんと飲む機会が訪れました。
Aさんは無礼な新人を気にかけてくれていたようで、「檜山と話したい」とわざわざ私の席まで来てくれました。
Aさん 「どうだ? 大丈夫か?」2カ月前とは打って変わってテンションの高い私を見て、Aさんは驚きつつもうれしかったそうです。
「新人がトップマネジメントに愚痴をこぼして去っていき、2カ月後にはそれを笑い飛ばしていた」という内容で、この話はいまもソリューショングループの内定者の間で語り継がれています(Aさんが、「新人における心の移り変わり」の極端な事例として紹介しているようです)。
新人研修で得た成果
こうしておよそ2カ月間の研修が終了。
この間、出社前のカフェで自習をする同期を見かけたり、放課後のトレーニングルームで自主勉強会が開かれているのを見たりして、会社と部活は共通するところが多いなと思いました。
会社でも部活でも、同期はお互い助け合う仲間であり、良き競争相手です。絆の深まり方も同じだと感じました。
私はいま、大切な仲間でありライバルでもある同期といつかプロジェクトを運営してみたいと思っています。
先輩や後輩と作っていく現在のプロジェクトももちろん好きだけれど、やはり、一緒に社会人になった同期は特別な存在です。
それぞれがマネジャーになっていて、みんなで研修のときのようにディスカッションしたり、信頼して任せたりして進めていく。このような、想像するだけで楽しくなる目標を持てたことが、新人研修の最も大きな成果でした。
私の見つけた目標とは違っても、みんなそれぞれ目標を見つけられたに違いないのです。 それほど研修ではたくさん感じることがあるし、考えることがあります。
新人研修。
それは、仕事を続けていくうえでの大切な目標を見いだせる貴重な機会だと私は思います。
筆者紹介
檜山亜紗美
1982年生まれ。東京理科大学理工学部経営工学科を卒業後、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズに入社。Javaの大規模プロジェクトで開発から運用までを経験、現在はStrategic Delivery Office(社内組織)にて方法論の展開・定着化に取り組む。趣味は幹事(ノンジャンル)。主催から出欠係まで幅広くたしなむ。
- 文書ドリブン開発 テスト文書編
- 文書ドリブン開発 詳細設計文書編
- 文書ドリブン開発 DB設計文書編
- 基本設計文書の質を下げる「4つの心理バイアス」
- 本当は楽しいドキュメント作成
- 新人(3年目)、プロジェクトで「忍耐」を学ぶ
- 新人、集合研修で「伝説」を作る
- 新人(3年目)、先輩デビューで「最悪の振る舞い」
- 新人、アーキテクチャチームで「運命の出会い」
- 1人チームで悩む新人。「この作業って意味あるの?」
- 現場デビューのお供はビジュアル多用の報告書
- 大規模プロジェクトでは「同じ言葉を、同じ意味で」
- 「バッファ込み」の工数がスケジュール遅延の原因
- 運用って、あまりいいイメージはなかったけれど
- 最強チームで挑んだ、「40時間でデータ移行」の壁
- 障害対応とチューニングの危うい関係
- オフショアなんて、怖くない
- 3プロジェクト同時にリード! どう乗り切る?
- この案件、ぜひ新しいテクノロジでやりましょう!
- 初めてのトラブル対応。これで直ると思ったのに!
- 「できるか!」な設計書に、どう立ち向かう?
- 専門用語で「カッコよく」話すのは簡単だけど
- メンバーとの仕様打ち合わせは海を越えて
- 定まらない要件、ユーザーからのむちゃな要求
- 未経験のデータベース構築に挑戦
- セットアップ全国行脚で九州弁に大苦戦
- 試行錯誤で分かったスパゲッティコード撃退法
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.